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2012/02/05 (Sun)
 どこかの森ではなく、今度はロスウェルに直接行く。
 街中では目立つので、人気の少ない裏路地に出た。
 上を仰げば城が見える。
 荘厳といっていいものかどうかの判別がいまいちつかなかったが、綺麗だと、思う。
 青い空に映える、その白さを。
 それなりに月日は感じられるけれども。

 城に向かって歩いていくと、騒がしい集団と出くわした。
 その中に見た覚えのある人影を見つける。
 声をかけようとして、そういえばしゃべらないんだっけと思い直す。
 見つかっても面倒だと、目を合わせないように通り過ぎようとする。

 けれど。
 不意に日が翳った。
 見上げると、傍らに馬に乗ったその人がいた。

 ルーク。
 フォリィアの弟だ。

「こんなところで会うとは、偶然だなっ!」
「……」
 やはり何も話さないでいると、ルークは少し眉間にしわを寄せた。
「何だよ、俺には何も話せないって言うのかよ」
 エディウスはやはり答えず、ただ彼を見上げている。
 じっと。
 深く青い瞳に見つめられルークがたじろぐ。
 その様子にエディウスは思わず笑みをもらすと、その場から歩きさった。
 顔を赤くしたルークは馬上から陶然とエディウスを見送った。

 歩き始めてしばらく。
 ルークのことなど綺麗さっぱり忘れていたエディウスは、城の入り口で金色の光を見つけた。
 それは髪の色が金色だからとかではなく。

 身体からにじみ出るような。
 神々しい、気配。

 魔法を解かれた影響なのか、少し成長している。
 それに伴った影響力。
 思わず目を見開いていた。

 綺麗な現界の王。
 黄金の。

 彼はこちらに気づくと、表情を変えずに走りよった。
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