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2012/02/05 (Sun)
 完全に遠ざかったのを見計らって、フォリィアが口を開く。
「で、さっきのは何だったんだ?」
「……魔法を、使ってみたんだけど……これ、料理……?」
 ツェリーシュが運んできたものを指差して、エディウスが問う。
「そうだが、見たことがないのか?」
 首をかしげてエディウスは答えない。
 それを見たフォリィアは彼に近寄ると、顔をこちらに向かせた。

「質問には答えろ」

「え、と……この料理は見たことないけど……何の薬品使っているの……?」
「薬品?」
「……魔法に、近いけど……。まがい物の気配もする……効力は……さっきの魔法と似てる、かな……」
 考えこむように答える。
「魔法……?」
 怪訝そうな顔で、フォリィアは料理を見る。
 いつもと変わらないそれを、手に取ってみる。
「成長抑止……っていえばいいのかな……」
「つまり、私が成長しないのはこの料理のせいだと、そう言いたいわけか?」
「……そう、だね……。でも、これだけじゃ効果は薄いと、思うよ……。……長い間、使われているみたいだし……」
 フォリィアはうつむいて考えこむ。
 誰かがやったのだとしても。
 胸が痛む。
「……でもこれ、どこで手に入れたのかな……」
「裏通りにでも売ってるんだろう」
 吐き捨てるように言われたことに、エディウスは首をかしげる。

 近寄り、頭を撫でた。
 驚いたようにフォリィアがエディウスを見上げる。
 彼は感情のあまり伺えない表情で見ていた。
「……私はもう子供ではないんだが……」
 苦笑しつつも、フォリィアはその手を払わなかった。
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