小説用倉庫。
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この船はこのままヴァイサーシアー大陸の、ヴェリィサという港町に行く。
そこから馬か何か使えば、2週間ほどでロスウェルにつくはずだ。
物思いに沈んでいると、船が大きく揺れた。
どうやら波が高くなってきたようだ。
「酒星、もしかしたらヴェリィサに着かないかも知れねぇぞ」
「どうしてです?」
「あれ、見てみろよ」
話し掛けてきたのは船に乗っている他の4人のうちのひとりで、額に大きな傷のある親父だ。
シンズィスでは酒場を切り盛りしている。
指差したのは大陸の方。
薄暗くなっている。
「嵐、起こりますかねェ?」
「いやな予感がするな」
顔をしかめて彼は他の仲間のところに行く。
「嵐……ね……」
呟いて、黒い雲の方を見る。
瞬間、雷が落ちた。
突然の落雷に船が大胆に揺れる。
同時に雨が降り出した。
先が見えない程の豪雨。
船員たちはみな振り落とされまいと船の縁にしがみついている。
何かを言い合っているが、風と雨の音が大きいためよく聞き取れない。
唐突に始まった嵐に、船員のほとんどがうろたえてしまっている。
そのとき誰かが叫んで、ひとつの方向を指差した。
皆がそちらを見る。
一瞬、壁かと思った。
それほどの大きな波だった。
小さな船は何の抵抗も無く飲み込まれた。
そこから馬か何か使えば、2週間ほどでロスウェルにつくはずだ。
物思いに沈んでいると、船が大きく揺れた。
どうやら波が高くなってきたようだ。
「酒星、もしかしたらヴェリィサに着かないかも知れねぇぞ」
「どうしてです?」
「あれ、見てみろよ」
話し掛けてきたのは船に乗っている他の4人のうちのひとりで、額に大きな傷のある親父だ。
シンズィスでは酒場を切り盛りしている。
指差したのは大陸の方。
薄暗くなっている。
「嵐、起こりますかねェ?」
「いやな予感がするな」
顔をしかめて彼は他の仲間のところに行く。
「嵐……ね……」
呟いて、黒い雲の方を見る。
瞬間、雷が落ちた。
突然の落雷に船が大胆に揺れる。
同時に雨が降り出した。
先が見えない程の豪雨。
船員たちはみな振り落とされまいと船の縁にしがみついている。
何かを言い合っているが、風と雨の音が大きいためよく聞き取れない。
唐突に始まった嵐に、船員のほとんどがうろたえてしまっている。
そのとき誰かが叫んで、ひとつの方向を指差した。
皆がそちらを見る。
一瞬、壁かと思った。
それほどの大きな波だった。
小さな船は何の抵抗も無く飲み込まれた。
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管理者:西(逆凪)、または沖縞
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