小説用倉庫。
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「……うーん…………あれ?」
間の抜けた声をあげて、目を開ける。
真っ先に目に入ったのは空の青さ。
明るい。
「!」
アィルは勢いよく起き上がった。
「何で……朝?」
ふと見ると、火がまだ燃えている。
何で消えないのだろうと思っていると、どうやら本物の火ではないらしい。
その証拠に手を近づけても大した熱さは感じない。
視線を火の向こうにやると、ヴィオルウスがいた。
寝ているらしく、うつむいたまま先ほどからほとんど動かない。
起こそうかどうしようか迷っていると、手の先に何かが触れた。
カチリとした、かすかな音。
馴染みのある、それはアィルの剣だった。
無くしたものなのに。
驚いてヴィオルウスのほうを見ると、ちょうど起きたところのようだ。
あらわになる紫の瞳。
大陸ではほとんど見かけない色だ。
「……起きてたの?」
「あ、ああ。……これ、お前が持ってきてくれたのか。ありがとう」
「いや……礼はいいよ……」
まだ寝ぼけているのか、片手で目をこすりながら答える。
「……それじゃ、これ食べたら出発しようか?」
そう言って、アィルは袋の中から携帯食を取り出した。
「……あ、ありがと……」
差し出された携帯食を受け取って、ヴィオルウスはそれを口に入れる。
硬い。
当たり前だが起きぬけなので食べにくい。
「……大丈夫か?」
思わずアィルが口に出す。
「……平気」
「お前あんまりしゃべんないな」
「そうかな……」
実際はまだ寝ぼけているだけなのだが、アィルはひとり納得したようだった。
間の抜けた声をあげて、目を開ける。
真っ先に目に入ったのは空の青さ。
明るい。
「!」
アィルは勢いよく起き上がった。
「何で……朝?」
ふと見ると、火がまだ燃えている。
何で消えないのだろうと思っていると、どうやら本物の火ではないらしい。
その証拠に手を近づけても大した熱さは感じない。
視線を火の向こうにやると、ヴィオルウスがいた。
寝ているらしく、うつむいたまま先ほどからほとんど動かない。
起こそうかどうしようか迷っていると、手の先に何かが触れた。
カチリとした、かすかな音。
馴染みのある、それはアィルの剣だった。
無くしたものなのに。
驚いてヴィオルウスのほうを見ると、ちょうど起きたところのようだ。
あらわになる紫の瞳。
大陸ではほとんど見かけない色だ。
「……起きてたの?」
「あ、ああ。……これ、お前が持ってきてくれたのか。ありがとう」
「いや……礼はいいよ……」
まだ寝ぼけているのか、片手で目をこすりながら答える。
「……それじゃ、これ食べたら出発しようか?」
そう言って、アィルは袋の中から携帯食を取り出した。
「……あ、ありがと……」
差し出された携帯食を受け取って、ヴィオルウスはそれを口に入れる。
硬い。
当たり前だが起きぬけなので食べにくい。
「……大丈夫か?」
思わずアィルが口に出す。
「……平気」
「お前あんまりしゃべんないな」
「そうかな……」
実際はまだ寝ぼけているだけなのだが、アィルはひとり納得したようだった。
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管理者:西(逆凪)、または沖縞
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