小説用倉庫。
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途中何度か休憩を入れながら歩いたが、ついにその日は村にたどり着けなかった。
日が暮れてきたので火を起こすための木切れを拾いに森に入る。
拾っているうちに、気がつけば足元すら見えない程に暗くなってきていた。
ある程度まで拾い終えたので、そのままきびすを返してもと来た道を引き返す。
と、途中で何かに躓いた。
その拍子にせっかく拾った木切れを地面にばら撒いてしまう。
何を踏んだのだろうと足で探ると、それはなにやら柔らかかった。
疑問に思って手で触れてみる。
布の感触。
さらりとした髪。
(髪?)
わずかな月明かりのあたる場所までそれを引きずっていくと、それは人間だった。
短い黒髪。
幼い顔。
まだ若い。
少年といって良いほどの。
とりあえずその場に置いておいて、さっきばら撒いてしまった木切れを拾いなおす。
しばらくその作業をして、何とか集め終わったところで火を起こす。
そのまましばらくは炎だけを見ていた。
ふと、その少年が身じろぎした。
「……?」
炎の照り返しを受けたその顔は、目を開いてもやはり幼く見えた。
赤に負けないほどに鮮やかな緑の瞳。
「……ここは……? あんた、誰だ……?」
思ったよりも低い声に多少驚く。
少年は頭に手を当ててうつむいた。
「……そうか、……助けてもらったんだな。礼を言うよ」
そしてまっすぐにこちらを見る。
「俺の名前はアィル=ディーン=ウィステリアス。ここから南にある村に住んでるんだ」
日が暮れてきたので火を起こすための木切れを拾いに森に入る。
拾っているうちに、気がつけば足元すら見えない程に暗くなってきていた。
ある程度まで拾い終えたので、そのままきびすを返してもと来た道を引き返す。
と、途中で何かに躓いた。
その拍子にせっかく拾った木切れを地面にばら撒いてしまう。
何を踏んだのだろうと足で探ると、それはなにやら柔らかかった。
疑問に思って手で触れてみる。
布の感触。
さらりとした髪。
(髪?)
わずかな月明かりのあたる場所までそれを引きずっていくと、それは人間だった。
短い黒髪。
幼い顔。
まだ若い。
少年といって良いほどの。
とりあえずその場に置いておいて、さっきばら撒いてしまった木切れを拾いなおす。
しばらくその作業をして、何とか集め終わったところで火を起こす。
そのまましばらくは炎だけを見ていた。
ふと、その少年が身じろぎした。
「……?」
炎の照り返しを受けたその顔は、目を開いてもやはり幼く見えた。
赤に負けないほどに鮮やかな緑の瞳。
「……ここは……? あんた、誰だ……?」
思ったよりも低い声に多少驚く。
少年は頭に手を当ててうつむいた。
「……そうか、……助けてもらったんだな。礼を言うよ」
そしてまっすぐにこちらを見る。
「俺の名前はアィル=ディーン=ウィステリアス。ここから南にある村に住んでるんだ」
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