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2012/02/05 (Sun)
 たどり着いたのは大きな家の前だった。
 町から見れば普通の大きさだが、この村では大きいほうだろう。

「……ここは?」
「ん? 俺の家」

 普通に言われたことに、ヴィオルウスは驚いてアィルを見る。
「別にだからって金持ちってわけじゃねェぞ」
 苦笑して、玄関を開ける。

 広い家。
 入って正面に階段がある。右側はどうやら台所関係か。
 左にも扉があって、そちらはドアが閉まっているため中は見えない。
 アィルは階段を上がっていく。半ばまで行ったところでヴィオルウスがついてこないことに気づき足を止めた。
「何やってんだ。早く来いよ」
 ぼうっと突っ立っていたヴィオルウスは慌てて後をついて階段を上がる。

 階段の途中で追いつくと、最初に家に入ったときから疑問に思っていたことを聞いてみた。
「あのさ、普通知らない人って家に入れないんじゃないの?」
「何で?」
「え……だって……。わたしが危険な人だったらどうする気?」
 よくわかっていないようなアィルに、多少困惑しながらも問いただした。
 それに対してアィルはやはりきょとんとして答える。
「危険じゃなさそうだけど? 体力無いし」
 けろりとして、階段を上がっていく。

 階段を上がりきって一番近い部屋の扉を空け、そこに持っていたヴィオルウスの荷物を置く。
「とりあえず今日はもう遅いし、泊まっていけばいいだろ。ああ、部屋はここな。掃除はできてるから、一応」
「……ありがとう」
 信じられないような表情でそれでも礼は言う。
「荷物置いたら下に来い。階段下りて右の部屋」
 どうやら行動派らしく、言い終えると同時にすでに階段を下りていっていた。

 ヴィオルウスはとりあえずため息をついて、扉が開いた部屋の中に入った。
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