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2012/02/05 (Sun)
 きっぱりと言った意志の強い瞳を眩しそうに見つめる。
 ぼうっと見ているだけだったので、彼、アィルが不思議そうな顔をした。
「……なんか、俺変なこと言ったか?」
「……あ、いや……。私はヴィオルウス。これからシオンの村に行く予定なんだけど……」
 そう言うと、アィルは顔を輝かせた。

 無邪気な顔。
 何の警戒心も見せずに。

「それなら一緒に行こう。どうせ俺も帰るつもりだったし」
 返す言葉が見つからなくて黙っていると、アィルはきょとんとした。
「もしかして用事があるのか?」
「……そんなことないけど……」
「……? だって、ここは村からかなり離れてるぞ?」
 不思議そうに聞いてくる彼に、ヴィオルウスは驚く。

「……え?」

「いや、だからさ……」
 困ったように頭を掻いて、手近にあった木を拾う。

 それで地面に長細い丸を書いた。
 どうやらそれがこの地方のつもりらしい。
 大陸であればただの楕円ではありえない。
「ここがシオンの村だろ?」
 そう言って、丸の南寄りに円をひとつ書く。
「そんでここがエールの町」
 描いた円より少し左斜め上あたりにもうひとつ書く。
 そこはヴィオルウスが何日か前に出発した町だった。
「それで、ここが現在地、だな」
 アィルが示したのは、シオンの村よりはるかに上のほうだった。エールより遠い。

「……あれ?」
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