小説用倉庫。
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きっぱりと言った意志の強い瞳を眩しそうに見つめる。
ぼうっと見ているだけだったので、彼、アィルが不思議そうな顔をした。
「……なんか、俺変なこと言ったか?」
「……あ、いや……。私はヴィオルウス。これからシオンの村に行く予定なんだけど……」
そう言うと、アィルは顔を輝かせた。
無邪気な顔。
何の警戒心も見せずに。
「それなら一緒に行こう。どうせ俺も帰るつもりだったし」
返す言葉が見つからなくて黙っていると、アィルはきょとんとした。
「もしかして用事があるのか?」
「……そんなことないけど……」
「……? だって、ここは村からかなり離れてるぞ?」
不思議そうに聞いてくる彼に、ヴィオルウスは驚く。
「……え?」
「いや、だからさ……」
困ったように頭を掻いて、手近にあった木を拾う。
それで地面に長細い丸を書いた。
どうやらそれがこの地方のつもりらしい。
大陸であればただの楕円ではありえない。
「ここがシオンの村だろ?」
そう言って、丸の南寄りに円をひとつ書く。
「そんでここがエールの町」
描いた円より少し左斜め上あたりにもうひとつ書く。
そこはヴィオルウスが何日か前に出発した町だった。
「それで、ここが現在地、だな」
アィルが示したのは、シオンの村よりはるかに上のほうだった。エールより遠い。
「……あれ?」
ぼうっと見ているだけだったので、彼、アィルが不思議そうな顔をした。
「……なんか、俺変なこと言ったか?」
「……あ、いや……。私はヴィオルウス。これからシオンの村に行く予定なんだけど……」
そう言うと、アィルは顔を輝かせた。
無邪気な顔。
何の警戒心も見せずに。
「それなら一緒に行こう。どうせ俺も帰るつもりだったし」
返す言葉が見つからなくて黙っていると、アィルはきょとんとした。
「もしかして用事があるのか?」
「……そんなことないけど……」
「……? だって、ここは村からかなり離れてるぞ?」
不思議そうに聞いてくる彼に、ヴィオルウスは驚く。
「……え?」
「いや、だからさ……」
困ったように頭を掻いて、手近にあった木を拾う。
それで地面に長細い丸を書いた。
どうやらそれがこの地方のつもりらしい。
大陸であればただの楕円ではありえない。
「ここがシオンの村だろ?」
そう言って、丸の南寄りに円をひとつ書く。
「そんでここがエールの町」
描いた円より少し左斜め上あたりにもうひとつ書く。
そこはヴィオルウスが何日か前に出発した町だった。
「それで、ここが現在地、だな」
アィルが示したのは、シオンの村よりはるかに上のほうだった。エールより遠い。
「……あれ?」
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管理者:西(逆凪)、または沖縞
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