小説用倉庫。
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目を開けると、アルジェンテウスの後ろの空が見えた。
作り物の青い色が。
どうやら倒れていたらしい。
差し伸べられた手にすがって、身体を起こす。
ふと、耳に届いた声。
何かの、歓声のような。
けれど喜びの響きではなく、これは恐怖。
喧騒。……悲鳴。
「お前にも聞こえるか」
「何が……」
慌てて立ち上がるとまだ頭がふらふらしたが、そんなことを言っている場合ではない。
「……戦争だよ。知らなかったのか?」
戦争。
誰と、誰の?
「その様子じゃ、知らなかったみたいだな。……天界人の一人がへまをしたのさ。魔界と天界の戦争だ」
愕然とした。
そんなことは知らなかった。
空にある天界と、地にある魔界でそんなことがあるなんて。
それに、両者は不可侵だったはずだ。
へまを、した?
アルファルはきびすを返すと、扉を開け放つ。
「どこへ行く」
「決まってます。皆を助けないと」
「お前ひとりが行ったところで何も変わんねぇぞ」
もっともな意見に唇をかみ締める。
「……わかっています。私ひとりが行ったところでどうにもならないことなんて。でも、行かなければ私はここにいる意味が無い」
言い捨てると返事も待たずに回廊を走る。
回廊は翼を広げて飛べるほどには広くない。
急いで走っていくうちに、錆びた鉄の臭いが強くなってきた。
血の臭い。
顔をしかめて回廊を曲がる。
「!」
足元に天使の死体があった。
足がすくむ。
翼は引きちぎられ、一目で絶命していることが見て取れる。
見覚えのある姿。
今朝は笑っていた。
唇をかみ締めて傍らに落ちていた剣を拾うと、その死体を超えてまた走り出した。
血の臭いはさらに濃くなってきている。
それにつれて戦う音や、声も大きくなってきていた。
「天使ダ!ここにもイるゾ!」
ざらざらした魔族の声に振り返ると、すぐ近くにそれはいた。
黒く変色した肌。
蝙蝠のような羽根。
それは槍を突き出してきた。
とっさにかわし、剣で斬り付ける。
浅い、と思ったが、剣で斬ったところから魔族の身体が崩れていくのを目にして、自分がさっき拾った剣が破邪の剣だったことに気づく。
作り物の青い色が。
どうやら倒れていたらしい。
差し伸べられた手にすがって、身体を起こす。
ふと、耳に届いた声。
何かの、歓声のような。
けれど喜びの響きではなく、これは恐怖。
喧騒。……悲鳴。
「お前にも聞こえるか」
「何が……」
慌てて立ち上がるとまだ頭がふらふらしたが、そんなことを言っている場合ではない。
「……戦争だよ。知らなかったのか?」
戦争。
誰と、誰の?
「その様子じゃ、知らなかったみたいだな。……天界人の一人がへまをしたのさ。魔界と天界の戦争だ」
愕然とした。
そんなことは知らなかった。
空にある天界と、地にある魔界でそんなことがあるなんて。
それに、両者は不可侵だったはずだ。
へまを、した?
アルファルはきびすを返すと、扉を開け放つ。
「どこへ行く」
「決まってます。皆を助けないと」
「お前ひとりが行ったところで何も変わんねぇぞ」
もっともな意見に唇をかみ締める。
「……わかっています。私ひとりが行ったところでどうにもならないことなんて。でも、行かなければ私はここにいる意味が無い」
言い捨てると返事も待たずに回廊を走る。
回廊は翼を広げて飛べるほどには広くない。
急いで走っていくうちに、錆びた鉄の臭いが強くなってきた。
血の臭い。
顔をしかめて回廊を曲がる。
「!」
足元に天使の死体があった。
足がすくむ。
翼は引きちぎられ、一目で絶命していることが見て取れる。
見覚えのある姿。
今朝は笑っていた。
唇をかみ締めて傍らに落ちていた剣を拾うと、その死体を超えてまた走り出した。
血の臭いはさらに濃くなってきている。
それにつれて戦う音や、声も大きくなってきていた。
「天使ダ!ここにもイるゾ!」
ざらざらした魔族の声に振り返ると、すぐ近くにそれはいた。
黒く変色した肌。
蝙蝠のような羽根。
それは槍を突き出してきた。
とっさにかわし、剣で斬り付ける。
浅い、と思ったが、剣で斬ったところから魔族の身体が崩れていくのを目にして、自分がさっき拾った剣が破邪の剣だったことに気づく。
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管理者:西(逆凪)、または沖縞
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