小説用倉庫。
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「アルファル! 何故来た……!」
聞こえてきた声はなじみの声。
「……ハゼル……! 大丈夫ですか!?」
こちらに近づいてくる彼の腕が血を流していることに気づき、慌てて駆け寄る。
けれど彼は差し伸べたこちらの手を無視して問いかけてきた。
「アルジェンテウス殿は? 一緒ではないのか?」
「先ほどまで一緒でしたが……貴方は彼を知っているのですか?」
逆に聞くと、彼ははっとしてアルファルをその肩で押した。
勢いに負けて床に倒れる。
「ハゼル……ッ!」
目の前に、立ちふさがるようにして立っている彼の。
胸から剣先が生えていた。
痛みを堪えながら、彼は手にした剣を振るう。
魔族は断末魔の叫びを残して消えうせ、また彼も膝をついた。
「ハゼル……! あぁ何てこと……!」
慌てて彼の傍らに跪く。
剣を抜いたとたんに溢れ出す血の量。
明らかに致命傷だ。
「早く……逃げろ……!」
血反吐を吐きながら、アルファルの肩を押す。
ごふ、と血を吐き大きく咳き込んで、彼は動かなくなった。
涙が溢れた。
泣くつもりはなかった。
ただとめどなく流れる涙を感じながら、あぁ、天使でも血は流れるんだな、などとぼんやりとした頭で考えていた。
呆然と、ただ亡骸を前にしていると、誰か、否、何かが近寄って来た。
顔を上げるまもなく殴られる。
「……ッ……!」
それは武器を持っていないのか、アルファルはそのまま床に押さえつけられ、首を絞められる。
魔族の、ざらついた手の感触。
その手から逃れようと、手足を動かすが、ほとんど無意味だった。
自らが手に持っていた剣は先ほど突き飛ばされたときに手から離れている。
息ができずに意識が遠くなっていく。
ここで死ぬのか。
法を犯す以外の死。
それが今まさに自分に当てはまるとは、考えてもいなかった。
と、突然手の感覚がなくなった。
目を開けると目の前にいた魔族が消えている。
急に入ってきた酸素に咳き込みながら、周りを見回す。
「何やってやがる」
いたのはアルジェンテウスだ。
不機嫌そうに歩いてくる。
「……ッ……が……!」
のどの痛みでうまく声が出ない。
「あん?」
片眉を上げてアルジェンテウスが聞き返す。
「ハゼル……が……」
聞こえてきた声はなじみの声。
「……ハゼル……! 大丈夫ですか!?」
こちらに近づいてくる彼の腕が血を流していることに気づき、慌てて駆け寄る。
けれど彼は差し伸べたこちらの手を無視して問いかけてきた。
「アルジェンテウス殿は? 一緒ではないのか?」
「先ほどまで一緒でしたが……貴方は彼を知っているのですか?」
逆に聞くと、彼ははっとしてアルファルをその肩で押した。
勢いに負けて床に倒れる。
「ハゼル……ッ!」
目の前に、立ちふさがるようにして立っている彼の。
胸から剣先が生えていた。
痛みを堪えながら、彼は手にした剣を振るう。
魔族は断末魔の叫びを残して消えうせ、また彼も膝をついた。
「ハゼル……! あぁ何てこと……!」
慌てて彼の傍らに跪く。
剣を抜いたとたんに溢れ出す血の量。
明らかに致命傷だ。
「早く……逃げろ……!」
血反吐を吐きながら、アルファルの肩を押す。
ごふ、と血を吐き大きく咳き込んで、彼は動かなくなった。
涙が溢れた。
泣くつもりはなかった。
ただとめどなく流れる涙を感じながら、あぁ、天使でも血は流れるんだな、などとぼんやりとした頭で考えていた。
呆然と、ただ亡骸を前にしていると、誰か、否、何かが近寄って来た。
顔を上げるまもなく殴られる。
「……ッ……!」
それは武器を持っていないのか、アルファルはそのまま床に押さえつけられ、首を絞められる。
魔族の、ざらついた手の感触。
その手から逃れようと、手足を動かすが、ほとんど無意味だった。
自らが手に持っていた剣は先ほど突き飛ばされたときに手から離れている。
息ができずに意識が遠くなっていく。
ここで死ぬのか。
法を犯す以外の死。
それが今まさに自分に当てはまるとは、考えてもいなかった。
と、突然手の感覚がなくなった。
目を開けると目の前にいた魔族が消えている。
急に入ってきた酸素に咳き込みながら、周りを見回す。
「何やってやがる」
いたのはアルジェンテウスだ。
不機嫌そうに歩いてくる。
「……ッ……が……!」
のどの痛みでうまく声が出ない。
「あん?」
片眉を上げてアルジェンテウスが聞き返す。
「ハゼル……が……」
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