小説用倉庫。
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※流血・暴力シーンが含まれます。※
血生臭いのが嫌いな方は見ないことをお勧めします。
それでも見るという方は自己責任でお願いします。
血生臭いのが嫌いな方は見ないことをお勧めします。
それでも見るという方は自己責任でお願いします。
遠く、近く、悲鳴が響く。
それを嘲笑うかのように、哄笑が混じる。
雨は降っていない。
快晴の空の中、月は銀色の光を投げかけている。
惨劇の続く町へと。
通りを歩けば水音が響く。
それは、月光を受けて尚赤黒く、土に染み切らなかった分は流れて広がっている。
彼は、その通りの中程にいた。
右手に握った剣は赤く血に染まっていたが、彼が一振りするとそれは銀色を取り戻した。
笑いながら、彼はそれを振りかざす。
目の前には悲鳴を上げつづける者がいた。
町の者だ。
足を切られたのか這うように、彼から逃げようとしている。
彼はその悲鳴を楽しむかのように殊更ゆっくりと近づき、その瞳に彼が映っていることを眺めながら、剣を振り下ろした。
悲鳴が途切れる。
死んではいない。
声が喉に詰まったような、ぜぇぜぇという音を出しながら、それはまだ生きていた。
彼は唇を笑みの形に吊り上げ、更に剣を振り下ろした。
肉を裂くくぐもった音が何度も響く。
どれだけ突き刺したか、彼は数えていなかったが、町の者は動かなくなっていた。
それはもはや原形を留めていない。
かろうじて四肢と頭が判別できるまでに、彼はそれを壊していた。
彼は動かなくなったそれを詰まらなさそうに見下ろして、頭部へとその足を下ろした。
僅かに力を入れるだけで、それは足の下でぐしゃりと潰れた。
中身が押し出され、通りに散らばっていた、そして町の者自身の血によってそれは直ぐに赤く染まっていった。
喉の奥に笑いを響かせ、彼は歩き始めた。
同じように、悲鳴を上げる町の者が、まだたくさん残っていることを知っていたからだ。
服は既に返り血で赤く染まっていた。
湿ったその感触は不快だったが、彼はそれよりも殺すことに愉悦を感じていた。
ぬかるんだ道を走る彼の表情は、もはや正気のそれではなかった。
狂った笑いを響かせながら、彼は次の獲物を求めて町を彷徨った。
全滅させるまでに、それ程時間はかからなかった。
月の位置が先程より上がっている。
辺りは鉄錆の臭いが満ちていた。
血と、汚物の噎せ返るような臭いの中、彼は無造作に幾つかの臓物を踏み潰しながら、視線を彷徨わせていた。
次の獲物を見定める為に。
やがて彼は一点を見つめ、笑みを深くした。
徐に走り出す。
彼が殺していった、かつて人であったものには目もくれずに。
だから気がつかなかった。
血を流し込んだかのような一対の赤い目が、彼を見つめていたことに。
それを嘲笑うかのように、哄笑が混じる。
雨は降っていない。
快晴の空の中、月は銀色の光を投げかけている。
惨劇の続く町へと。
通りを歩けば水音が響く。
それは、月光を受けて尚赤黒く、土に染み切らなかった分は流れて広がっている。
彼は、その通りの中程にいた。
右手に握った剣は赤く血に染まっていたが、彼が一振りするとそれは銀色を取り戻した。
笑いながら、彼はそれを振りかざす。
目の前には悲鳴を上げつづける者がいた。
町の者だ。
足を切られたのか這うように、彼から逃げようとしている。
彼はその悲鳴を楽しむかのように殊更ゆっくりと近づき、その瞳に彼が映っていることを眺めながら、剣を振り下ろした。
悲鳴が途切れる。
死んではいない。
声が喉に詰まったような、ぜぇぜぇという音を出しながら、それはまだ生きていた。
彼は唇を笑みの形に吊り上げ、更に剣を振り下ろした。
肉を裂くくぐもった音が何度も響く。
どれだけ突き刺したか、彼は数えていなかったが、町の者は動かなくなっていた。
それはもはや原形を留めていない。
かろうじて四肢と頭が判別できるまでに、彼はそれを壊していた。
彼は動かなくなったそれを詰まらなさそうに見下ろして、頭部へとその足を下ろした。
僅かに力を入れるだけで、それは足の下でぐしゃりと潰れた。
中身が押し出され、通りに散らばっていた、そして町の者自身の血によってそれは直ぐに赤く染まっていった。
喉の奥に笑いを響かせ、彼は歩き始めた。
同じように、悲鳴を上げる町の者が、まだたくさん残っていることを知っていたからだ。
服は既に返り血で赤く染まっていた。
湿ったその感触は不快だったが、彼はそれよりも殺すことに愉悦を感じていた。
ぬかるんだ道を走る彼の表情は、もはや正気のそれではなかった。
狂った笑いを響かせながら、彼は次の獲物を求めて町を彷徨った。
全滅させるまでに、それ程時間はかからなかった。
月の位置が先程より上がっている。
辺りは鉄錆の臭いが満ちていた。
血と、汚物の噎せ返るような臭いの中、彼は無造作に幾つかの臓物を踏み潰しながら、視線を彷徨わせていた。
次の獲物を見定める為に。
やがて彼は一点を見つめ、笑みを深くした。
徐に走り出す。
彼が殺していった、かつて人であったものには目もくれずに。
だから気がつかなかった。
血を流し込んだかのような一対の赤い目が、彼を見つめていたことに。
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管理者:西(逆凪)、または沖縞
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