小説用倉庫。
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舌打ちをしてエディウスの腕を引く。
「来い。話を聞くうちに日が暮れてしまう。……こんな所にいられても迷惑だ」
最後の部分は吐き捨てるように言って、フォリィアはエディウスを馬に乗せる。
「……こんな、所って……?」
先ほども耳についた言葉だった。
この静かな湖の畔が、どうしたというのか。
「……何も知らないのか。このあたりは今のような魔獣や夜盗の類が出る。危険だからと近隣の者は近づくこともない」
そこまで聞いてふと思い当たる。
その危険な場所に彼がいたのは、多分見回りもかねてで。
畔で見つけたエディウスを、起きるまで守っていたのだろう。
「……ありがとう」
呟きを聞いたフォリィアは怪訝そうに眉をひそめたあと、すぐに視線をそらして歩き出した。
心持ち早足で、馬を引いて森の出口に向かう。
されるままに、エディウスは馬に揺られていた。
見るともなしに廻りを見まわす。
傍らを小走りに行く少年は前方を見据えたままだ。
その彼がふと立ち止まった。
「……次から次へと……!」
小さく毒づく。
前方には何もないように思える。
けれど。
きらりと光って、矢が飛んできた。
瞬時にフォリィアは剣で叩き落とす。
そこに背後からも矢が飛んで来て、それに気づいたエディウスが魔法を使う。
風を基盤に、空間に作用する魔法だ。
歪んだ空間にぶつかり、矢は難なく落ちた。
ついでとばかりにまわりにも魔法を放つ。
何人かが落ちてきた。
致命傷ではない傷を負わせて、気絶するように加減して。
溜息を吐いてフォリィアが顔を向けてくる。
「すまない。どうやら私を狙う刺客のようだ」
そしてまた進む。
「来い。話を聞くうちに日が暮れてしまう。……こんな所にいられても迷惑だ」
最後の部分は吐き捨てるように言って、フォリィアはエディウスを馬に乗せる。
「……こんな、所って……?」
先ほども耳についた言葉だった。
この静かな湖の畔が、どうしたというのか。
「……何も知らないのか。このあたりは今のような魔獣や夜盗の類が出る。危険だからと近隣の者は近づくこともない」
そこまで聞いてふと思い当たる。
その危険な場所に彼がいたのは、多分見回りもかねてで。
畔で見つけたエディウスを、起きるまで守っていたのだろう。
「……ありがとう」
呟きを聞いたフォリィアは怪訝そうに眉をひそめたあと、すぐに視線をそらして歩き出した。
心持ち早足で、馬を引いて森の出口に向かう。
されるままに、エディウスは馬に揺られていた。
見るともなしに廻りを見まわす。
傍らを小走りに行く少年は前方を見据えたままだ。
その彼がふと立ち止まった。
「……次から次へと……!」
小さく毒づく。
前方には何もないように思える。
けれど。
きらりと光って、矢が飛んできた。
瞬時にフォリィアは剣で叩き落とす。
そこに背後からも矢が飛んで来て、それに気づいたエディウスが魔法を使う。
風を基盤に、空間に作用する魔法だ。
歪んだ空間にぶつかり、矢は難なく落ちた。
ついでとばかりにまわりにも魔法を放つ。
何人かが落ちてきた。
致命傷ではない傷を負わせて、気絶するように加減して。
溜息を吐いてフォリィアが顔を向けてくる。
「すまない。どうやら私を狙う刺客のようだ」
そしてまた進む。
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管理者:西(逆凪)、または沖縞
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