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2012/02/05 (Sun)
「それより、君はどうして、あれが魔獣ではないと言った? なぜ、そんなことを知っている。それと、魔法使いか?」
 いきなり繰り出された問いに、エディウスはゆっくりと口を開く。
「……あの子は、ただ帰り道が分からなかっただけだよ……」
「私が聞きたいのはそれではない」
 苛立たしげにフォリィアが言う。
「……魔族の、なれの果てだ……。魔法の実験として扱われて、……揚句ここに捨てられたんだろう……」
 聞き慣れない単語に、フォリィアが眉をひそめる。
「魔族?」
 言いかけたエディウスは、扉を見て口を閉じる。

 数瞬後、控えめに扉を叩く音が聞えた。
「フォリィア様、薬持ってきましたよ」
 言って扉を開けたのは、ここに来る途中でであった衛兵だ。
 フォリィアは青年のほうに行って薬品を受け取る。
「ああ、すまないな」
「他に用事ってあります?」
「いや、もう充分だ。……何かあれば呼ぶから」
「わかりました。それじゃ!」
 にっこりと笑って部屋から出ていく。

 振り返った彼は苦笑して言った。
「悪いやつではないんだがな」
 タイミングが悪いというか。
 つられてエディウスも微笑む。
 フォリィアは部屋の少し奥にいくと、ポットなどを持って戻ってきた。
「……ありがとう……」
 カップに入れられたお茶を受け取って礼を言う。
 温かいそれを両手に持って、フォリィアを見る。
 彼は自分の分のカップを持って、エディウスの向かいのソファに座る。
「……それで?」
 視線を落として問うフォリィアに、エディウスは首をかしげる。

「魔族のこと。それから、君のことだ」
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