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2012/02/05 (Sun)
「……そうだね、そういえば、知らないんだっけ……」
「だから聞いているんだろう」
 何を言っているのかといわんばかりに、フォリィアは眉をひそめた。
「この世界にある種族のうちのひとつだよ……」

「種族?」
「……人族と、魔族、神族、そして精霊……昔は獣族も、いたんだけれど……」
 一息ついてお茶を飲む。
 フォリィアは眉間に皺を寄せて考え込んでいる。
「しかし……そんな種族がいるなんて聞いたことがないぞ。精霊なら知っているが……」
「違う界にいるからね……」
「何だか知らないことだらけで嫌になるな」
 顔をしかめていう彼に、エディウスが薄く笑う。
「……ぼくも言われるまでは、ひとつしか知らなかったよ……」

「まあいいさ。……教えてもらえるんだろう?」
 年齢に似合わない笑みを浮べて、フォリィアが微笑う。
「……何から話せばいいの?」
「そうだな……まず、君が何者なのか」
 エディウスはそこでしばらく沈黙した。
 答えをいいあぐねているようにも見える。

「……ぼくは、人間ではないよ……」
 何の感情も表わさずにエディウスが囁く。
「では何だと?」
 動揺を表に出さないようにして、聞き返す。
 ゆっくりと、エディウスは口を開く。
「……神族。そう、言われた。……人界ではなく神界に住む、種族だ……」
「その神界とやらに、私は行けないのかな?」
 ふと思いついたように言うフォリィアに、エディウスは驚いた顔をした。
「……どうだろう……来れないことはないと、思うけれど……でも多分駄目だと思うよ……」
「なぜそう言いきれる?」

「……なぜって……」
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