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2012/02/05 (Sun)
「こんなところで何してるんだ?」

 突然下卑た笑いとともに、声をかけられた。
 振り向くと、そこにひとりの青年がいた。
 くすんだ金の髪と、淡い緑の瞳をしている。
 口を開こうとして、フォリィアに言われたことを思い出す。
「どうしたんだよ、まさかしゃべれないのか?」
 馬鹿にしたような口調だが、エディウスは特に怒らない。
 反応を返さないエディウスに、青年は眉をひそめて口を開く。
「お前……ッ!」

「何をやっているんだ、ルーク」

 背後から聞えた声に、ルークと呼ばれたその青年は振り向き、顔を歪める。
「その人は私の友人だ。……何をやっているのかと、聞いているんだ」
 怒気を孕んだ声に、ルークが一歩下がる。
「こ、こんな所にいるから、声をかけてやったんだよ!」
「ではもういいだろう。……さあ行くぞ」
 フォリィアはエディウスの腕を掴んで城の中に引っ張った。
「外に女を作るなんて、お前ももうお終いだなぁ!」
「貴様はそんなことよりも勉学のほうに力を入れたらどうだ。サファが嘆いていたぞ」
「う、うるさい! よけいなお世話だっ!」
「ならこちらのことも放っておけ」
 赤い顔をしたルークをその場に残して、フォリィアはさっさとその場から去った。

 大きな扉を開けて中に入ると、外にいる者に何か言って扉を閉めた。
「ここならもういい」
「……あの……」
 ぼんやりと口を開いたエディウスに、フォリィアが視線を向ける。
「……ぼくは、男なんだけど……」
「そんなことは見れば分かるだろう。あいつが勝手に間違えただけだ」
「……」
 首をかしげてエディウスは沈黙する。
 近くに置いてあるソファに座るよう手で示す。
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