小説用倉庫。			
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						「おかえりー。早かったね。フェイネス、何だって?」
「仮にも国王を呼び捨てにするのなんて、おまえだけだろうな……」
自室の扉を開けたとたんにこやかに笑いかけてきたルシェイドに、フォリィアが苦笑して答える。
「そうかなぁ。他にもいると思うんだけど」
腕組みをして唸る彼の前のソファから、赤い髪がはみ出していた。
覗きこんでみるとエディウスが横になって眠っていた。
どうやら彼は寝るのが好きなようで、放っておくとぼうっとしているか眠ってしまう。
「あ、今日はディリク、来れないって言ってたよ」
「そうなのか? ……っていつ私の部屋に集まる相談をしていたんだ」
「細かいことは気にしない。それより、ついに明日、だね」
それとなくうれしそうなルシェイドの様子に、フォリィアはため息をつく。
「そうだが……私はルークが気になる」
「何で? なんかやるの?」
「運命の調停者とかいうんだったら、そのくらいわかるんじゃないのか?」
憮然として言うと、ルシェイドはほんの少し顔を曇らせた。
「僕が何でもわかると思ったら大間違いだよ。……僕がわかるのは運命と呼ばれるものだけさ」
いつもと違って暗く感じるその表情に何も言えないでいると、ルシェイドは立ち上がって言った。
「明日は僕もそれなりに見ておくから、大事にはならないと思うよ」
「そう願おう」
「はは。それじゃね」
「……ああ」
フォリィアの返事の途中で、ルシェイドは宙に掻き消えた。
どうやら彼が帰ってくるのを待っていただけらしい。
ため息をついて、エディウスがいることを思い出す。
「……おい、起きろ。こんなところで寝ると風邪を引く」
「……うん……」
返事をして身じろぎしたものの、彼はそのまま寝返りをうって目を開けない。
「……返事をするなら起きろよ……。まいったな」
髪をかきあげてエディウスを見下ろしてから、彼の肩に手をかける。
「寝るなら寝室に行けと言っただろう」
「……ぅ、ん……」
返事が曖昧だ。
仕方なしにエディウスを担ぎ上げ、隣の部屋に運ぶ。
「ほんとに、子供のようなやつだな」
					
																								「仮にも国王を呼び捨てにするのなんて、おまえだけだろうな……」
自室の扉を開けたとたんにこやかに笑いかけてきたルシェイドに、フォリィアが苦笑して答える。
「そうかなぁ。他にもいると思うんだけど」
腕組みをして唸る彼の前のソファから、赤い髪がはみ出していた。
覗きこんでみるとエディウスが横になって眠っていた。
どうやら彼は寝るのが好きなようで、放っておくとぼうっとしているか眠ってしまう。
「あ、今日はディリク、来れないって言ってたよ」
「そうなのか? ……っていつ私の部屋に集まる相談をしていたんだ」
「細かいことは気にしない。それより、ついに明日、だね」
それとなくうれしそうなルシェイドの様子に、フォリィアはため息をつく。
「そうだが……私はルークが気になる」
「何で? なんかやるの?」
「運命の調停者とかいうんだったら、そのくらいわかるんじゃないのか?」
憮然として言うと、ルシェイドはほんの少し顔を曇らせた。
「僕が何でもわかると思ったら大間違いだよ。……僕がわかるのは運命と呼ばれるものだけさ」
いつもと違って暗く感じるその表情に何も言えないでいると、ルシェイドは立ち上がって言った。
「明日は僕もそれなりに見ておくから、大事にはならないと思うよ」
「そう願おう」
「はは。それじゃね」
「……ああ」
フォリィアの返事の途中で、ルシェイドは宙に掻き消えた。
どうやら彼が帰ってくるのを待っていただけらしい。
ため息をついて、エディウスがいることを思い出す。
「……おい、起きろ。こんなところで寝ると風邪を引く」
「……うん……」
返事をして身じろぎしたものの、彼はそのまま寝返りをうって目を開けない。
「……返事をするなら起きろよ……。まいったな」
髪をかきあげてエディウスを見下ろしてから、彼の肩に手をかける。
「寝るなら寝室に行けと言っただろう」
「……ぅ、ん……」
返事が曖昧だ。
仕方なしにエディウスを担ぎ上げ、隣の部屋に運ぶ。
「ほんとに、子供のようなやつだな」
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