小説用倉庫。
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「…………厭だ……」
「え?」
ふと、エディウスがつぶやくのが聞こえて、聞き返す。
とりあえず担いだままでは表情すら見えないので、ベッドの上に降ろすと、エディウスは薄く目を開いた。
「……どうして……? こんな……」
「なんだ?」
「……て……意味が……じゃないか……」
「……もしかして寝ぼけてるのか」
「……答え……ない、なら……ぼくは…………」
眉根を寄せて閉じた彼の目から、涙がこぼれる。
フォリィアは枕もとにあった布を取ると、それを丁寧に拭う。
「……起きろ、エディウス」
「……フォリィア……?」
「そうだ、私だ」
潤んだ瞳で、エディウスは不思議そうに見ている。
「ここ、……どこ……?」
「私の部屋だが?」
いつも以上にゆっくりとした動作で起き上がったエディウスは、ぼんやりと周りを見回す。
そうしてからまたフォリィアに視線を合わせると、口を開いた。
「……ルシェイドは……?」
「帰った。何か用があったのか?」
「……別に、そうじゃ、ないけど……」
「おい、しっかりしてくれ」
困った様子のフォリィアに微笑んで、少し目を閉じる。
「……用事、何だったの……?」
「……王は私だそうだ。私自身はそう忙しくなるわけではないのだがな」
用意やらは城の者がたいていやってくれる。
フォリィア自身はいつもどおりだ。
「……明日、フォリィアは何を、するの……」
「何って……ロスウェルの大通りを一周ぐるりと回ってから城に戻って、父上から王冠を戴くんだ」
「……それ、ぼくが一緒にいたら……だめかな……」
「駄目ということはないだろうが……何故だ?」
「……うん……」
ためらいがちに、エディウスは厭な予感がするといった。
落ち着かなくなるような、不安がある。
何か。
あるような。
「……わかった。そう伝えておこう。……顔色がまだ少し悪い。このまま寝ておけ」
エディウスの額を指で押して寝かせると、フォリィアはツェリーシュを呼ぶために部屋を出て行った。
残されたエディウスは、隣の部屋の足音や声を聞くとはなしに聞いていたが、ゆっくりと意識を沈めていった。
「え?」
ふと、エディウスがつぶやくのが聞こえて、聞き返す。
とりあえず担いだままでは表情すら見えないので、ベッドの上に降ろすと、エディウスは薄く目を開いた。
「……どうして……? こんな……」
「なんだ?」
「……て……意味が……じゃないか……」
「……もしかして寝ぼけてるのか」
「……答え……ない、なら……ぼくは…………」
眉根を寄せて閉じた彼の目から、涙がこぼれる。
フォリィアは枕もとにあった布を取ると、それを丁寧に拭う。
「……起きろ、エディウス」
「……フォリィア……?」
「そうだ、私だ」
潤んだ瞳で、エディウスは不思議そうに見ている。
「ここ、……どこ……?」
「私の部屋だが?」
いつも以上にゆっくりとした動作で起き上がったエディウスは、ぼんやりと周りを見回す。
そうしてからまたフォリィアに視線を合わせると、口を開いた。
「……ルシェイドは……?」
「帰った。何か用があったのか?」
「……別に、そうじゃ、ないけど……」
「おい、しっかりしてくれ」
困った様子のフォリィアに微笑んで、少し目を閉じる。
「……用事、何だったの……?」
「……王は私だそうだ。私自身はそう忙しくなるわけではないのだがな」
用意やらは城の者がたいていやってくれる。
フォリィア自身はいつもどおりだ。
「……明日、フォリィアは何を、するの……」
「何って……ロスウェルの大通りを一周ぐるりと回ってから城に戻って、父上から王冠を戴くんだ」
「……それ、ぼくが一緒にいたら……だめかな……」
「駄目ということはないだろうが……何故だ?」
「……うん……」
ためらいがちに、エディウスは厭な予感がするといった。
落ち着かなくなるような、不安がある。
何か。
あるような。
「……わかった。そう伝えておこう。……顔色がまだ少し悪い。このまま寝ておけ」
エディウスの額を指で押して寝かせると、フォリィアはツェリーシュを呼ぶために部屋を出て行った。
残されたエディウスは、隣の部屋の足音や声を聞くとはなしに聞いていたが、ゆっくりと意識を沈めていった。
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管理者:西(逆凪)、または沖縞
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