小説用倉庫。
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いつも共にいた。
兄弟のように。
何でも話せる友人だった。
気圧されるほど元気なその人の。
自分は横に、常に。
明るい空がよく似合う笑顔はその人だけのもの。
その人が誘うように手を差し伸べた。
掴む。
その手が。
ぬるりとすべる。
一瞬なんだかわからなかった。
凍りついたその人の笑顔の。
眼差しが虚ろで。
ゆっくりと、額から赤い筋が流れる。
それは徐々に数を増やし、細かった筋は太くなり。
やがてすべてが赤く
(鮮やかな)
染まった。
それと同時に風景がすべて赤く暗い闇へと落ちる。
足元の、生暖かいぬるりとした感触。
闇の中なのに、その赤だけはやけにくっきりしている。
目の前のその人からは人の
(黒く)
輪郭は失われていって。
ぼんやりと、だんだん歪んでくる景色に、自分はただこう思った。
ああ、なんて赤いんだろう、ただ、それだけを。
その時の。
涙の意味さえわからずに。
兄弟のように。
何でも話せる友人だった。
気圧されるほど元気なその人の。
自分は横に、常に。
明るい空がよく似合う笑顔はその人だけのもの。
その人が誘うように手を差し伸べた。
掴む。
その手が。
ぬるりとすべる。
一瞬なんだかわからなかった。
凍りついたその人の笑顔の。
眼差しが虚ろで。
ゆっくりと、額から赤い筋が流れる。
それは徐々に数を増やし、細かった筋は太くなり。
やがてすべてが赤く
(鮮やかな)
染まった。
それと同時に風景がすべて赤く暗い闇へと落ちる。
足元の、生暖かいぬるりとした感触。
闇の中なのに、その赤だけはやけにくっきりしている。
目の前のその人からは人の
(黒く)
輪郭は失われていって。
ぼんやりと、だんだん歪んでくる景色に、自分はただこう思った。
ああ、なんて赤いんだろう、ただ、それだけを。
その時の。
涙の意味さえわからずに。
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管理者:西(逆凪)、または沖縞
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