小説用倉庫。
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目を閉じて倒れこんでしまったエディウスをみて、フォリィアは顔色を変えた。
医者を、と思い視線をあげた彼の前に、ルシェイドが音もなく姿を現した。
心なしかその表情は青い。
エディウスを一瞥し、視線を虚空に据える。
「ディリク!」
ルシェイドが呼ぶとすぐにディリクが現れ、ルークを捕らえた。
「僕はこのまま彼を連れて行くから、君は式を進行させてくれ。僕がここにきたという記憶は民から消しておく」
彼は一気にまくし立てるとエディウスをフォリィアから受け取り、ふわりと浮かんだ。
「おい!」
「……彼なら大丈夫だよ。必ず助けてみせる」
ぐったりとしてしまったエディウスを抱えて、ルシェイドは宙に消えた。
「……ッ! 衛兵! ルークを……この者を捕らえよ! 式を滞らせ、あまつさえ我が命を狙った曲者だ。……式が終わるまでは地下に閉じ込めておけッ!」
慌てて駆け寄った衛兵に命じると、フォリィアは馬に乗った。
ディリクはすでに見えない。
エディウスが流した血の痕跡すら残されていないので、夢だったように思えるが、ルークは虚ろな目をして衛兵にされるがままになっている。
内心で舌打ちしつつも、フォリィアはおとなしく式の進行に従い進んでいった。
何があったのか。
何故こんなことになったのか。
ままならない現状に苛立ちを覚えつつ、表情だけは平静を保ったまま長く感じる行進続ける。
この後は現王から冠をもらう。
あの不甲斐ない父と顔を突き合せなければならないのだ。
感情を押し殺しながら、極力思考を抑える。
早く終われば良いと思いながら。
医者を、と思い視線をあげた彼の前に、ルシェイドが音もなく姿を現した。
心なしかその表情は青い。
エディウスを一瞥し、視線を虚空に据える。
「ディリク!」
ルシェイドが呼ぶとすぐにディリクが現れ、ルークを捕らえた。
「僕はこのまま彼を連れて行くから、君は式を進行させてくれ。僕がここにきたという記憶は民から消しておく」
彼は一気にまくし立てるとエディウスをフォリィアから受け取り、ふわりと浮かんだ。
「おい!」
「……彼なら大丈夫だよ。必ず助けてみせる」
ぐったりとしてしまったエディウスを抱えて、ルシェイドは宙に消えた。
「……ッ! 衛兵! ルークを……この者を捕らえよ! 式を滞らせ、あまつさえ我が命を狙った曲者だ。……式が終わるまでは地下に閉じ込めておけッ!」
慌てて駆け寄った衛兵に命じると、フォリィアは馬に乗った。
ディリクはすでに見えない。
エディウスが流した血の痕跡すら残されていないので、夢だったように思えるが、ルークは虚ろな目をして衛兵にされるがままになっている。
内心で舌打ちしつつも、フォリィアはおとなしく式の進行に従い進んでいった。
何があったのか。
何故こんなことになったのか。
ままならない現状に苛立ちを覚えつつ、表情だけは平静を保ったまま長く感じる行進続ける。
この後は現王から冠をもらう。
あの不甲斐ない父と顔を突き合せなければならないのだ。
感情を押し殺しながら、極力思考を抑える。
早く終われば良いと思いながら。
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管理者:西(逆凪)、または沖縞
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