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2012/02/05 (Sun)
「おまえ地下の行き方わかるのか?」
「伊達に昔からここにいないよ。……建物が少し綺麗になって、土地が広くなっただけだからね」
 あっさりと言い放って、どんどん進んでいく。
 確かに道順的には合っているので、フォリィアも黙ってついていく。

 暫く進み、やがて地下牢に出た。
「……ルーク……」
 そこにいた彼はいつもの不敵な人物ではなかった。
 虚ろな目をして、頬はげっそりとやつれている。
 言葉はない。
 まるで、廃人のような。

「何で、……こんな……」
「副作用だよ」
 ため息とともに言って、ついてこさせた城の者を見やる。
「ディリク、用意は?」
「まあ何とかなるだろう」
「じゃあ、始めようか」

 いつもと違う真剣な表情で、ルシェイドはルークの傍らに行く。
 ディリクはその反対側に。
 そして傀儡は彼らを囲むように。
 ルシェイドとディリクは深呼吸をして、両の手をルークに向ける。

 低く流れ出したのは知らない言葉。
 聞いたこともない旋律。
 ふたりで交互に、時には一緒に言葉を紡いでいく。
 うめくような声がそれに唱和する。
 何の声かと思ってみると、それは城の者が出している言葉だった。
 苦しげなその声。
 不安に駆られてルシェイドのほうを見る。
 彼の足元からディリクの足元に、光る線が延びているのが目に入った。

 綺麗な。
 それは何かの模様のようだった。
 円と四角で構成された、絵のような何か。
 それらで構成されていて、意味などはフォリィアにはさっぱりわからなかった。

 ひときわそれが輝くと同時に、城の者からも悲鳴のような声が
(断末魔)
 あがった。
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