小説用倉庫。
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「え……」
思わず間の抜けた声が出てしまう。
「それって、高西風に、薄氷の殺人依頼が来てるって事か?」
「お前今の状況と、話を聞いていてそのくらいわからないのか? ほんっとに馬鹿だな」
こんな状況なのに薄氷に対して腹が立つ。
「殺しを依頼に来たのは黒髪の子だったよ。薄氷と……そうだね、たいして年のかわらなそうな」
ぴくりと、薄氷の肩が動く。
「あ、でも目の色はもう少し薄い色だったよ」
強張った表情の薄氷に気づかないのか、高西風は依頼者について語っている。
「明かしていいのかよ。普通秘密なんじゃないのか。そういうのって」
とりあえず刃を収めて欲しかったが、先ほどから突きつけた状態で微動だにしていない。
高西風はこちらには答えず、薄氷に視線を移す。
「ねぇ、心当たりない?」
「ないね」
即答。
それが意外だったのか、高西風が首を傾げる。
「本当に?」
明らかに嘘だと思うのだが、高西風は半分信じたようだ。
「じゃあ何で殺そうと思ったんだろ。結構依頼料高いのに」
「金が余ってんだろ」
吐き捨てるように言うと、そこでやっと高西風は刃を収めた。
「まぁいいや。どうせ乗り気じゃなかったし」
「……そんなあっさりいいのか?」
「うん。それとも殺ってほしいの?」
物騒な言葉に思い切り首を左右に振った。
そういえば高西風は殺人者だった……と改めて認識しなおす。
「それじゃ、私はもう行くからな。用、ないんだろ?」
溜息をついて、薄氷が山道を下りて行く。
「あ、待ってよ、僕も帰る!」
どうしたら良いかわからず目で追っていると、高西風が振り返って手を振った。
「先に帰ってるよー?」
「あ、ああ……」
とりあえず手を振り返す。
「なんだったんだ……一体……」
ふたりが見えなくなるのを、半ば呆然と見送った。
「……まぁ、帰るか……」
安堵と困惑。
何ともいえない心を持て余したままで、山を下りる。
通りなれた道。
昔から慣れていないと、半分も登れないと言われるこの険しい山は、貴重な薬草がたくさんある。
だから気が向けば山に登っていた。
「そういや、いつも薄氷と一緒だったな……」
口喧嘩ばかりだけれど。
唯一、同じ位置にいてくれる気がする。
思わず間の抜けた声が出てしまう。
「それって、高西風に、薄氷の殺人依頼が来てるって事か?」
「お前今の状況と、話を聞いていてそのくらいわからないのか? ほんっとに馬鹿だな」
こんな状況なのに薄氷に対して腹が立つ。
「殺しを依頼に来たのは黒髪の子だったよ。薄氷と……そうだね、たいして年のかわらなそうな」
ぴくりと、薄氷の肩が動く。
「あ、でも目の色はもう少し薄い色だったよ」
強張った表情の薄氷に気づかないのか、高西風は依頼者について語っている。
「明かしていいのかよ。普通秘密なんじゃないのか。そういうのって」
とりあえず刃を収めて欲しかったが、先ほどから突きつけた状態で微動だにしていない。
高西風はこちらには答えず、薄氷に視線を移す。
「ねぇ、心当たりない?」
「ないね」
即答。
それが意外だったのか、高西風が首を傾げる。
「本当に?」
明らかに嘘だと思うのだが、高西風は半分信じたようだ。
「じゃあ何で殺そうと思ったんだろ。結構依頼料高いのに」
「金が余ってんだろ」
吐き捨てるように言うと、そこでやっと高西風は刃を収めた。
「まぁいいや。どうせ乗り気じゃなかったし」
「……そんなあっさりいいのか?」
「うん。それとも殺ってほしいの?」
物騒な言葉に思い切り首を左右に振った。
そういえば高西風は殺人者だった……と改めて認識しなおす。
「それじゃ、私はもう行くからな。用、ないんだろ?」
溜息をついて、薄氷が山道を下りて行く。
「あ、待ってよ、僕も帰る!」
どうしたら良いかわからず目で追っていると、高西風が振り返って手を振った。
「先に帰ってるよー?」
「あ、ああ……」
とりあえず手を振り返す。
「なんだったんだ……一体……」
ふたりが見えなくなるのを、半ば呆然と見送った。
「……まぁ、帰るか……」
安堵と困惑。
何ともいえない心を持て余したままで、山を下りる。
通りなれた道。
昔から慣れていないと、半分も登れないと言われるこの険しい山は、貴重な薬草がたくさんある。
だから気が向けば山に登っていた。
「そういや、いつも薄氷と一緒だったな……」
口喧嘩ばかりだけれど。
唯一、同じ位置にいてくれる気がする。
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管理者:西(逆凪)、または沖縞
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