小説用倉庫。
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「ねぇねぇ聞いてー!」
ばたんと勢いよく診療所の扉が開かれる。
そのうち壊れるんじゃなかろうかと要らぬ心配をするが、当人たちにとってはどうでもいいことらしい。
転がるように入ってきた東旭の後ろから、苦笑しながら酒星が入ってくる。
「どうした、東旭」
「名前考えたんだ! 樹雨っていうの! どう?」
凄くにこやかに返答を求めてくる。
半ば呆然と見ていると、東旭がベッドの上に半身を起き上がらせた彼に気づいた。
「あ、起きたんだね! ねぇ名前、樹雨ってどう?」
「……え……」
困ったように呟く彼に、酒星が気づいて東旭をたしなめる。
「東旭……突然にどうって言われても彼が困るだけでしょう」
「そう? うーんでもいい名前だと思うんだけどなー」
腕組みをして天井を仰ぐ。
それを見て冬杣が苦笑し、彼の方に視線を向けた。
「つまりな、呼び名を樹雨にしたらどうか、ということなんだよ」
説明すると、よくわからないのか目をしばたたかせている。
「名を変えろと、いうことですか……?」
「うん? いや、違うよ。この島でのそれぞれの呼称になるのさ。この島にいるみんな、ふたつ名を持ってる」
薄氷がにやりと笑って説明する。
「……そう、ですか……」
「樹雨って、駄目かな……?」
東旭が上目遣いに彼を見る。
彼は一瞬きょとんとして、それからふわりと微笑んだ。
柔らかな笑み。
「……良いですよ」
肯定すると、東旭はぱぁっと花が咲くように笑った。
「ありがとう! あたし東旭っていうの!」
「私は冬杣という」
「俺、踏青な!」
「薄氷だ。よろしくな、樹雨」
「よろしく……酒星ッて言います」
順に名を名乗ると、樹雨は微笑を持ってそれに応える。
名前だけの自己紹介はこれで終わりだ。
ばたんと勢いよく診療所の扉が開かれる。
そのうち壊れるんじゃなかろうかと要らぬ心配をするが、当人たちにとってはどうでもいいことらしい。
転がるように入ってきた東旭の後ろから、苦笑しながら酒星が入ってくる。
「どうした、東旭」
「名前考えたんだ! 樹雨っていうの! どう?」
凄くにこやかに返答を求めてくる。
半ば呆然と見ていると、東旭がベッドの上に半身を起き上がらせた彼に気づいた。
「あ、起きたんだね! ねぇ名前、樹雨ってどう?」
「……え……」
困ったように呟く彼に、酒星が気づいて東旭をたしなめる。
「東旭……突然にどうって言われても彼が困るだけでしょう」
「そう? うーんでもいい名前だと思うんだけどなー」
腕組みをして天井を仰ぐ。
それを見て冬杣が苦笑し、彼の方に視線を向けた。
「つまりな、呼び名を樹雨にしたらどうか、ということなんだよ」
説明すると、よくわからないのか目をしばたたかせている。
「名を変えろと、いうことですか……?」
「うん? いや、違うよ。この島でのそれぞれの呼称になるのさ。この島にいるみんな、ふたつ名を持ってる」
薄氷がにやりと笑って説明する。
「……そう、ですか……」
「樹雨って、駄目かな……?」
東旭が上目遣いに彼を見る。
彼は一瞬きょとんとして、それからふわりと微笑んだ。
柔らかな笑み。
「……良いですよ」
肯定すると、東旭はぱぁっと花が咲くように笑った。
「ありがとう! あたし東旭っていうの!」
「私は冬杣という」
「俺、踏青な!」
「薄氷だ。よろしくな、樹雨」
「よろしく……酒星ッて言います」
順に名を名乗ると、樹雨は微笑を持ってそれに応える。
名前だけの自己紹介はこれで終わりだ。
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管理者:西(逆凪)、または沖縞
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