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2012/02/05 (Sun)
 茂みをいくつか突っ切ってきたので頭やら身体やらに葉がたくさんついてしまった。
 けれどどうやら先についたようだ。
 そのまま町に向かって走る。
 だいぶ離れたところで振り返ると、人影が出てくるのが見えた。
(早い)
 もっと遅いと思っていたのに。

 ふと視線を前に戻し、そこに見慣れた金髪の人影を目に留める。

「酒星……!」

 半ば呆然と呟いてから、全速力で彼のもとに向かう。
 酒星はこちらに気づいて笑顔で手を上げかけ、表情を強張らせた。
「……踏青サン……? どうしたんです」

「……駄目だッ! 逃げろ……ッ!」
 必死に言うが、酒星は訝しげにこちらを見ているだけだ。
「何かあったんですか?」
「人、が……ッ……!」
 全力で走ったので息が切れてうまく話せない。

「お前……お前が邪魔をするのかッ!」

(追いつかれた)
 すぐ後ろから声がして、絶望的な気分で振り返る。

 酒星を半ば隠すように立ち位置を変える。
「誰です」
 よく状況がつかめていないらしい。

 けれどこちらを排除しようと、目の前の人物が行動してくる。

 魔法力。
(魔法使い……!)
 力が凝縮していくのがわかる。
 魔力があるわけではないが、そういうものを感じ取る力は備わっていた。
 だからある程度はわかる。

 それが、自分を殺すためのものだということが。

 腰の後ろに手を持っていき、そこに隠してある護身用の短剣を握る。
 魔法使いは物理攻撃に弱い。
 短剣を握りなおし、思い切り投げた。

 狙ったのは、心臓。
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