小説用倉庫。
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「何馬鹿面さげてやがるんだ」
薄氷は次の日も薄氷だった。
当たり前のことだが、昨日の夜のことが何もなかったように思える。
「いや……何でもないんだ……」
しゃがみこみたくなる気持ちを抑えて、昨日人が漂着したという話を伝える。
朝食がてらその人物を見に、診療所へ向かう。
「まだ起きてないんだな」
「あぁ、踏青と薄氷か、呼吸も穏やかだ。もうすぐ目覚めるだろう」
頭に巻いてあった包帯を取り替えながら、冬杣が言う。
と、薄氷がその人物に近づく。
何をするのかと見ていると、すっと右手を伸ばして、人差し指で額を弾いた。
「薄氷!? お前、何やってんだよッ!」
「いや起きるかなと」
しれっと告げる薄氷を見て冬杣が呆れたように肩をすくめる。
「一応病人扱いなんだが」
「怪我人の間違いだろ」
「……ぅ……」
寝ていた彼はうめき声を上げて目を開けた。
でこぴんが聞いたのかと思ってなんだか複雑な気持ちになる。
開いた目は鮮やかな青緑色だった。
自分の周りにいて顔を覗き込んでいる3人を順に見て、彼は口を開いた。
「……ここは……」
「ここはシャイレア島。君は昨日この島に漂着したんだ。覚えてない?」
「いや普通漂着したのは覚えてねぇだろ」
眉間にしわを寄せて薄氷に言うが、どうやら無視する方針らしい。
彼は起き上がろうとして、苦痛に顔を歪めた。
手を右目の傷のあたりに持っていくのを見て、冬杣があっさり告げる。
「あんたの右目はもう見えないよ。傷が深かったからね」
「可能性じゃなかったっけ?」
「楽観視しても駄目な場合は駄目だろう」
疑問に思って問い掛けると、あっさりと切り捨てられた。
「で、君誰?」
彼女は淡々と聞く。
「……私、は……」
薄氷は次の日も薄氷だった。
当たり前のことだが、昨日の夜のことが何もなかったように思える。
「いや……何でもないんだ……」
しゃがみこみたくなる気持ちを抑えて、昨日人が漂着したという話を伝える。
朝食がてらその人物を見に、診療所へ向かう。
「まだ起きてないんだな」
「あぁ、踏青と薄氷か、呼吸も穏やかだ。もうすぐ目覚めるだろう」
頭に巻いてあった包帯を取り替えながら、冬杣が言う。
と、薄氷がその人物に近づく。
何をするのかと見ていると、すっと右手を伸ばして、人差し指で額を弾いた。
「薄氷!? お前、何やってんだよッ!」
「いや起きるかなと」
しれっと告げる薄氷を見て冬杣が呆れたように肩をすくめる。
「一応病人扱いなんだが」
「怪我人の間違いだろ」
「……ぅ……」
寝ていた彼はうめき声を上げて目を開けた。
でこぴんが聞いたのかと思ってなんだか複雑な気持ちになる。
開いた目は鮮やかな青緑色だった。
自分の周りにいて顔を覗き込んでいる3人を順に見て、彼は口を開いた。
「……ここは……」
「ここはシャイレア島。君は昨日この島に漂着したんだ。覚えてない?」
「いや普通漂着したのは覚えてねぇだろ」
眉間にしわを寄せて薄氷に言うが、どうやら無視する方針らしい。
彼は起き上がろうとして、苦痛に顔を歪めた。
手を右目の傷のあたりに持っていくのを見て、冬杣があっさり告げる。
「あんたの右目はもう見えないよ。傷が深かったからね」
「可能性じゃなかったっけ?」
「楽観視しても駄目な場合は駄目だろう」
疑問に思って問い掛けると、あっさりと切り捨てられた。
「で、君誰?」
彼女は淡々と聞く。
「……私、は……」
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管理者:西(逆凪)、または沖縞
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