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2012/02/05 (Sun)
「……な、なぁ……酒星殺しに来たわけじゃないのか?」
「違う。彼が生きてても僕は別に困らないから」
 恐る恐る踏青が聞くと、ルシェイドはあっさりと答えた。
「え、だって金髪って……!」
「そういやアタシも金髪でしたねぇ」

「僕が探しているのはサゼンディオスのほうだ」

「……誰?」
 三人が同じ表情だったからだろう。
 ルシェイドは明らか内困惑したようだ。
「ここにいるはずなんだ」

「あぁ、あいつじゃないのか」
「え、薄氷知ってんのか?」
 たぶん本気で言っているであろう踏青に、精一杯嫌そうな顔をしてみた。
「お前ほんっとに馬鹿だな……」
「何だよッ!」

「知ってるのか? あいつが今どこにいるのか」
 ルシェイドが勢い込んで聞く。
「たぶんな。……樹雨のことだろう」
「ヘ? ……あぁ! 浜に倒れてた奴か!」
「ようやくわかったのか……」
 げんなりしながら踏青を見やる。
 たまに本当の馬鹿なのかと疑いたくなるが
(いや馬鹿なんだろうけど)
 それでもそれなりに頭がいい事を知っているのでなんともいえない。

「……樹雨?」
「見れば違うかそうなのかもわかるだろ」

 さらりとかわして、とりあえず診療所に向かう。
 酒星は用があるらしく、先ほどの家のほうに帰っていった。
 診療所までの道では誰にも会わなかった。
 そういえばもう昼かと思い、踏青のおかげで昼飯を食べていないことに気づく。

 おまけに使いたくもない力を使ってしまった。
 呪わしい。
 力。

 能天気に歩いている踏青が何とはなしに頭にきたので、後ろから殴る。
「いってぇな! 何するんだよ、いきなり!」
「叩きやすい位置にあったお前の頭が悪い」
 しれっと言うと踏青がさらに何かわめきたてた。
 こういう打てば響く反応が面白い。

 踏青の反応を見ていたので、その時後ろでルシェイドが複雑な表情を浮かべていたことには気づかなかった。
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