小説用倉庫。
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音を立ててドアを開ける。
だんだん立て付けが悪くなってきている気もするが、とりあえず支障はない。
中には樹雨以外姿が見えなかった。
やはり昼飯かと思いつつ中に入る。
「よぅ、樹雨。調子はどうだ?」
「たまにお前のその能天気さが羨ましいよ」
半眼で言うが、聞こえなかったのか踏青は樹雨の方を向いている。
「……樹雨? お前が?」
聞こえた声は背後から。
振り返ると、きつく睨みつけているルシェイドがいた。
「やっぱ大当たりか?」
それには答えず、ルシェイドは大股に部屋に入ってくる。
樹雨が目を見開く。
「あなたは……!」
「……何故、こんなところにいるんだ」
押し殺したような声。
どんな感情で今喋っているのか。
それもよくわからないほど、たくさんの思いがある気がする。
樹雨は驚いていた表情を引き締めて、震える声で言った。
「彼に……会わせて下さい」
「……彼? 探し人の?」
呑気に踏青が口を挟む。
とりあえずそれを殴って黙らせて、二人の会話に耳をそばだてる。
「彼はいない」
「ではどこに……! どこにいるというのです!」
「探してどうするんだ」
「聞きたいことが……私は彼に聞かなければならないことがあるのです」
決意を秘めた声。
痛ましげな包帯がなんともいえない。
片目の代償をはらって、樹雨はたぶん、何も得ることはできないだろうに。
「無理だよ……彼は、もういない」
だんだん立て付けが悪くなってきている気もするが、とりあえず支障はない。
中には樹雨以外姿が見えなかった。
やはり昼飯かと思いつつ中に入る。
「よぅ、樹雨。調子はどうだ?」
「たまにお前のその能天気さが羨ましいよ」
半眼で言うが、聞こえなかったのか踏青は樹雨の方を向いている。
「……樹雨? お前が?」
聞こえた声は背後から。
振り返ると、きつく睨みつけているルシェイドがいた。
「やっぱ大当たりか?」
それには答えず、ルシェイドは大股に部屋に入ってくる。
樹雨が目を見開く。
「あなたは……!」
「……何故、こんなところにいるんだ」
押し殺したような声。
どんな感情で今喋っているのか。
それもよくわからないほど、たくさんの思いがある気がする。
樹雨は驚いていた表情を引き締めて、震える声で言った。
「彼に……会わせて下さい」
「……彼? 探し人の?」
呑気に踏青が口を挟む。
とりあえずそれを殴って黙らせて、二人の会話に耳をそばだてる。
「彼はいない」
「ではどこに……! どこにいるというのです!」
「探してどうするんだ」
「聞きたいことが……私は彼に聞かなければならないことがあるのです」
決意を秘めた声。
痛ましげな包帯がなんともいえない。
片目の代償をはらって、樹雨はたぶん、何も得ることはできないだろうに。
「無理だよ……彼は、もういない」
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