小説用倉庫。
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「あそこが……あの後どうなったのか、知らないのか?」
咎めるような口調。
「知らない。知りたくもないし、関係ないね」
「本当に、それでいいのか?」
「くどい」
「……なぁ、何なんだ?」
怪訝そうな声で踏青が口を挟む。
苛立たしげにそちらを睨むと、彼は少し怯んだようだった。
「お前には関係ないと言ったはずだぞ、踏青」
「だけど……!」
皆まで聞かずに歩き出す。
「エル!」
叫んだルシェイドの頬が切れた。
振り向きざまに放った飛刀。
それは見事に牽制の効果をもたらしたようだ。
「貴様も黙れ」
「何故そんなに頑なになるんだ?」
「頑な? ……何がだ?」
ほぼ完璧に踏青を無視し、ルシェイドに向き直る。
「ここにいることか? 名前を捨てて、過去から遠ざかっていることか」
「頑なではないというなら、何故ロウに会いに行かないんだ」
「会ってどうするっていうんだ。会って、あいつと殺しあえば、お前は満足なのか?」
踏青が驚きに息を呑むのがわかる。
「こ、殺しあうって……お前……!」
「そんなところで何やってるんだい」
唐突に、第三者の声がした。
気づかなかったのか、ルシェイドも驚いた顔をしていた。
「冬杣……」
「私は別に放っておけと言ったんだがね。ここは目立つんだよ。薄氷」
ニヤリと笑う彼女の後ろ、少し離れたところに高西風が立っていた。
「……お前かよ」
苦虫を噛み潰したような顔で呟くと、冬杣が高西風を振り返った。
「彼は五感が優れているんだよ。知らなかった……わけないだろう?」
知っていた。
昔、聞いたことがあったから。
冬杣はルシェイドの方に顔を向けると、親しげに声をかけた。
「久しぶりだね、ルシェイド」
ルシェイドはしばらくして、目を見開いた。
「君は……あの時の……」
「『妹』も、まだいるよ」
「そうか……」
ふたりで納得している。
小さく舌打ちすると、冬杣の横を通ってルシェイドから遠ざかる。
「エル! 話はまだ終わっていない!」
ルシェイドが叫ぶが、右手を上げただけでその場を離れた。
「待て……」
「話なら、他でもできるだろう? ルシェイド」
「だけど……」
「あいつは頑固なんだ。まぁ立ち話もなんだろう。薄氷の行く所に案内してあげるよ。昔馴染みのよしみでね」
遠ざかっていく声を聞くともなしに聞いてから、冬杣にはかないそうもないなとふと思う。
けれどそのまま従うのも癪なので、少し寄り道をすることにした。
咎めるような口調。
「知らない。知りたくもないし、関係ないね」
「本当に、それでいいのか?」
「くどい」
「……なぁ、何なんだ?」
怪訝そうな声で踏青が口を挟む。
苛立たしげにそちらを睨むと、彼は少し怯んだようだった。
「お前には関係ないと言ったはずだぞ、踏青」
「だけど……!」
皆まで聞かずに歩き出す。
「エル!」
叫んだルシェイドの頬が切れた。
振り向きざまに放った飛刀。
それは見事に牽制の効果をもたらしたようだ。
「貴様も黙れ」
「何故そんなに頑なになるんだ?」
「頑な? ……何がだ?」
ほぼ完璧に踏青を無視し、ルシェイドに向き直る。
「ここにいることか? 名前を捨てて、過去から遠ざかっていることか」
「頑なではないというなら、何故ロウに会いに行かないんだ」
「会ってどうするっていうんだ。会って、あいつと殺しあえば、お前は満足なのか?」
踏青が驚きに息を呑むのがわかる。
「こ、殺しあうって……お前……!」
「そんなところで何やってるんだい」
唐突に、第三者の声がした。
気づかなかったのか、ルシェイドも驚いた顔をしていた。
「冬杣……」
「私は別に放っておけと言ったんだがね。ここは目立つんだよ。薄氷」
ニヤリと笑う彼女の後ろ、少し離れたところに高西風が立っていた。
「……お前かよ」
苦虫を噛み潰したような顔で呟くと、冬杣が高西風を振り返った。
「彼は五感が優れているんだよ。知らなかった……わけないだろう?」
知っていた。
昔、聞いたことがあったから。
冬杣はルシェイドの方に顔を向けると、親しげに声をかけた。
「久しぶりだね、ルシェイド」
ルシェイドはしばらくして、目を見開いた。
「君は……あの時の……」
「『妹』も、まだいるよ」
「そうか……」
ふたりで納得している。
小さく舌打ちすると、冬杣の横を通ってルシェイドから遠ざかる。
「エル! 話はまだ終わっていない!」
ルシェイドが叫ぶが、右手を上げただけでその場を離れた。
「待て……」
「話なら、他でもできるだろう? ルシェイド」
「だけど……」
「あいつは頑固なんだ。まぁ立ち話もなんだろう。薄氷の行く所に案内してあげるよ。昔馴染みのよしみでね」
遠ざかっていく声を聞くともなしに聞いてから、冬杣にはかないそうもないなとふと思う。
けれどそのまま従うのも癪なので、少し寄り道をすることにした。
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管理者:西(逆凪)、または沖縞
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