小説用倉庫。
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辿り着いたのは浜辺。
この島で唯一、砂浜があるところ。
新しく試したい毒の、材料となるものが確かこの辺にあったはずだ。
幻魅華。
見た目は鮮やかな赤い花。
食したり、臭いを嗅いだりすることによって幻覚症状をもたらすことのできる草だ。
使い方を誤まれば大変なことになるだろう。
考えながら歩いていると、浜辺の途切れているところが少し崖のようになっていて、そこに生えていた。
あまり多く生えるものでもないので少量にしておく。
匂いを嗅いでしまうのを防ぐために、布に包む。
手折った時に、匂いが出てくる花なのだ。
黙々とその作業をしていると、昔の事を思い出してしまう。
(あんなやつが来るからだ)
苦々しく思う。
高西風にしても、ルシェイドにしても。
ふたりとも違うことを言うから。
『兄上は興味ないんでしょう? だったら、消えてくれませんか?』
過去。
笑って言われた。
それまでは仲が良かった。良かったはずだ。
兄上、兄上と慕ってくれて、よくふたりで遊んだ。
そんな弟が愛しかった。
あの時までは。
あの、雨の日。
すべてが壊れた。
そこまで考えて、頭を強く左右に振る。
関係ない。
今の自分には、もう。
草の入った袋をきつく握り締め、自分の部屋に戻るために歩き出した。
この島で唯一、砂浜があるところ。
新しく試したい毒の、材料となるものが確かこの辺にあったはずだ。
幻魅華。
見た目は鮮やかな赤い花。
食したり、臭いを嗅いだりすることによって幻覚症状をもたらすことのできる草だ。
使い方を誤まれば大変なことになるだろう。
考えながら歩いていると、浜辺の途切れているところが少し崖のようになっていて、そこに生えていた。
あまり多く生えるものでもないので少量にしておく。
匂いを嗅いでしまうのを防ぐために、布に包む。
手折った時に、匂いが出てくる花なのだ。
黙々とその作業をしていると、昔の事を思い出してしまう。
(あんなやつが来るからだ)
苦々しく思う。
高西風にしても、ルシェイドにしても。
ふたりとも違うことを言うから。
『兄上は興味ないんでしょう? だったら、消えてくれませんか?』
過去。
笑って言われた。
それまでは仲が良かった。良かったはずだ。
兄上、兄上と慕ってくれて、よくふたりで遊んだ。
そんな弟が愛しかった。
あの時までは。
あの、雨の日。
すべてが壊れた。
そこまで考えて、頭を強く左右に振る。
関係ない。
今の自分には、もう。
草の入った袋をきつく握り締め、自分の部屋に戻るために歩き出した。
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