小説用倉庫。
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「あーあ。壊れちゃったか……」
青く光る宝石をもてあそびながら、呟く。
目の前には海がある。
くすんだ太陽の下で、それは暗い青色をしていた。
柔らかな草の生えているところに寝そべると、頭の上から声が掛けられた。
金の瞳を一度瞬かせて、覗き込むようにこちらを見下ろす彼を見る。
「何をやっているんだい? そんなところで」
「うーん……契約?」
「……いや、聞かれても答えられないなぁ」
その困った様子に思わず笑って半身を起こし、手に持っていた宝石を差し出す。
受取った彼はそれを日にすかしたりして眺めた。
「ルシェイド、これは何?」
「宝石」
「見ればわかるよ」
「だから契約だって。一応成功」
どこか憮然とした態度に苦笑してしまう。
「一応なんだ?」
「思ったとおりにいかなかったからね」
ルシェイドは立ち上がってくるりと背を向けた。
海が目に入る。
「ところで、そういう君は何してんの、こんなところで」
「……散歩?」
「……同じような答え方するなよ。リーヴァセウス」
「はは。良いじゃないか」
笑って、リーヴァセウスは歩き出す。
「散歩はもう終り?」
隣に並んでルシェイドが聞く。
「疲れたからね」
「年寄りくさいよ、それ」
ふたりは笑いながら海を背にして歩き去った。
青く光る宝石をもてあそびながら、呟く。
目の前には海がある。
くすんだ太陽の下で、それは暗い青色をしていた。
柔らかな草の生えているところに寝そべると、頭の上から声が掛けられた。
金の瞳を一度瞬かせて、覗き込むようにこちらを見下ろす彼を見る。
「何をやっているんだい? そんなところで」
「うーん……契約?」
「……いや、聞かれても答えられないなぁ」
その困った様子に思わず笑って半身を起こし、手に持っていた宝石を差し出す。
受取った彼はそれを日にすかしたりして眺めた。
「ルシェイド、これは何?」
「宝石」
「見ればわかるよ」
「だから契約だって。一応成功」
どこか憮然とした態度に苦笑してしまう。
「一応なんだ?」
「思ったとおりにいかなかったからね」
ルシェイドは立ち上がってくるりと背を向けた。
海が目に入る。
「ところで、そういう君は何してんの、こんなところで」
「……散歩?」
「……同じような答え方するなよ。リーヴァセウス」
「はは。良いじゃないか」
笑って、リーヴァセウスは歩き出す。
「散歩はもう終り?」
隣に並んでルシェイドが聞く。
「疲れたからね」
「年寄りくさいよ、それ」
ふたりは笑いながら海を背にして歩き去った。
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管理者:西(逆凪)、または沖縞
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