忍者ブログ
小説用倉庫。
HOME 61  62  63  64  65  66  67  68  69  70  71 
2024/11/22 (Fri)
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2012/02/05 (Sun)
 そのときちょうどアィルは扉の前を歩いていた。
 部屋の中から大きな音が聞こえたので、何事かと扉を開けようとする。

「!」

 開けると同時に向こうからも押されて、アィルは扉に額をぶつけてしまう。
「いてッ! ……?」
 飛び出してきたのはヴィオルウスで、扉を開けるとそのまま倒れた。
「おいッ!」
 とっさに受け止めるが、ヴィオルウスは気を失ったままだ。
 アィルはヴィオルウス越しに部屋の中を見る。

 特に変わった様子は見えない。
 眉をひそめてヴィオルウスの顔を見ると、暗い中でもかなり青ざめているのがわかる。

 きつく目を閉じたまま。

「おい……起きろ。何があったんだ?」
 頬を軽く叩くが起きる気配はない。
 しかたなしにヴィオルウスを抱き上げると、用心しながら部屋に入る。
 異常がないのを確かめてベッドに横たえるが、それでも起きなかった。
 寝息が穏やかになったのを見て取り、アィルは静かに部屋から出た。
 ヴィオルウスのいる部屋には、他に誰もいないのに。
 何故こんなにも取り乱していたのか。
 後ろ髪を引かれつつ自室に戻る。

「……いてぇ」
 額に手をやると、血が流れているのがわかった。
 扉にぶつけたときに切れたのだろう。

 近くにあった布で額を拭うと、アィルはベッドに横になった。
Comment
Name
Title
Color
Mail
URL
Comment   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
Password
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
HOME 61  62  63  64  65  66  67  68  69  70  71 
HOME
Copyright(C)2001-2012 Nishi.All right reserved.
倉庫
管理者:西(逆凪)、または沖縞

文章の無断転載及び複製は禁止。
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新記事
[長編] Reparationem damni  (03/12)
[長編] Reparationem damni  (03/12)
[長編] Reparationem damni  (10/19)
[長編] Reparationem damni  (10/19)
[長編] Reparationem damni  (09/07)
忍者ブログ [PR]
PR