小説用倉庫。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
波の弾ける音がする。
(ここは)
きらきらと踊る光が眩しくて、薄く目を開ける。
空が見える。
砂の上に寝転んでいたらしい。
(俺は)
勢いよく身を起こす。
信じられない気持ちのまままわりを見回す。
けれどどんなに目を凝らしても、目の前にある海は消せなかった。
小さい頃、よく連れてきてもらった。
村よりずっと南にある小さな浜辺。
(こんなはずは)
人気のないその浜辺で、アィルはひとりたたずんでいた。
「 」
ふと呼ばれた気がして視線を泳がせる。
視線の先、海の中。
鮮やかな青色の海に腰のあたりまで浸かって、人が立っていた。
襟足で縛った金の髪。
日に当たって輝いて見える。
あれは。
(そんな)
見覚えのある、見間違いのないようなその姿。
(はずは)
足がすくんで動かない。
確かめたいのに、足が拒否する。
(ないのに――)
その影はふとこちらに気づいたかのようにゆっくりと振り返る。
現われたその顔。
それは。
「レヴィアール!」
走り出す。
その自覚のないままその影に向かって駆け寄る。
その影はこちらを認めるとゆっくりと微笑み、迎えるように両の手を広げた。
(ここは)
きらきらと踊る光が眩しくて、薄く目を開ける。
空が見える。
砂の上に寝転んでいたらしい。
(俺は)
勢いよく身を起こす。
信じられない気持ちのまままわりを見回す。
けれどどんなに目を凝らしても、目の前にある海は消せなかった。
小さい頃、よく連れてきてもらった。
村よりずっと南にある小さな浜辺。
(こんなはずは)
人気のないその浜辺で、アィルはひとりたたずんでいた。
「 」
ふと呼ばれた気がして視線を泳がせる。
視線の先、海の中。
鮮やかな青色の海に腰のあたりまで浸かって、人が立っていた。
襟足で縛った金の髪。
日に当たって輝いて見える。
あれは。
(そんな)
見覚えのある、見間違いのないようなその姿。
(はずは)
足がすくんで動かない。
確かめたいのに、足が拒否する。
(ないのに――)
その影はふとこちらに気づいたかのようにゆっくりと振り返る。
現われたその顔。
それは。
「レヴィアール!」
走り出す。
その自覚のないままその影に向かって駆け寄る。
その影はこちらを認めるとゆっくりと微笑み、迎えるように両の手を広げた。
Comment
倉庫
管理者:西(逆凪)、または沖縞
文章の無断転載及び複製は禁止。
文章の無断転載及び複製は禁止。
カレンダー
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
カテゴリー
- ご挨拶。(3)
- [長編] Reparationem damni(12)
- [長編] Nocte repono rubei(72)
- [長編] Sinister ocularis vulnus (30)
- [長編] Lux regnum(61)
- [長編] Pirata insula(47)
- [長編] Purpura discipulus(43)
- [長編] Quinque lapidem(29)
- [短編] Canticum Dei(3)
- [短編] Candidus Penna(9)
- [短編] Dignitate viveret,Mori dignitas (11)
- [短編] Praefiscine(3)