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2012/02/05 (Sun)
「いつまで喋ってる!」
 突然ディリクが怒鳴る。

 見ると、魔法戦では埒があかないと思ったらしいヴィオルウスと肉弾戦で戦っていた。
 こちらに気を取られた隙にディリクに対し強烈な蹴りを放つ。
 とっさにガードしたものの、こらえきれずに飛ばされる。
 近くに転がってきたディリクを見て、ルシェイドがぼそりと呟いた。
「……ディリク、鍛錬怠けてるね?」
「……きちんとやっている。あいつがあんなに武術の腕が良いとは聞いていないぞ」
 どこか憮然とした口調でディリクが答える。
「あいつ……あんなに強かったのか……」
「本来ヴィオルウスは攻撃力の方が高いからね」
 話をしている間に、ヴィオルウスは今度は何かを呟き始めた。

「何て言ってるんだ?」
「詠唱の、……魔法だよ。ディリク、防御結界!」
 叫ぶ。
 と、皆の前に薄い膜のようなものが瞬時にできた。
「返すよ。グラディウス、反射を」
 とっさに、グラディウスが両手を前に突き出す。
 ヴィオルウスの声がひときわ高く響いたかと思うと、床が振動するほどの衝撃が声を中心に広がっていった。

 大半がディリクの張った結界で相殺されたが、残りがグラディウスを直撃する。
「……く……ッ!」
 ルシェイドが、苦しげにうめく彼の両手に向けて低く何かを呟いた。

 閃光。
 思わず目を覆う。

「もう良いよ」
 目を開けるとヴィオルウスが倒れていた。
「ヴィオルウス……!」
 駆け寄ろうとすると、腕を掴まれた。
 疲れたような顔で、グラディウスが言う。

「頼みが、あるんだ……」
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