忍者ブログ
小説用倉庫。
HOME 220  221  222  223  224  225  226  227  228  229  230 
2025/04/03 (Thu)
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2012/02/05 (Sun)
「……!」
 思わず袖で口元を覆う。
 中は酷い悪臭がした。
 同時に、がちゃりという鎖の音。
 薄暗がりに目が慣れてくると、部屋の両側に鉄格子があるのが見えた。
 それは大きな檻だった。

「……ライナート?」
 自分の名を呼ぶ声に目を見開く。
 聞き覚えのある声。
 右の格子からだ。
 駆け寄ると、骨ばった手が格子を掴んだ。
 城の者だ。
 正門の、警備を主にしていた男。
 ざっと見回し、大きな外傷が無い事にほっとする。
「無事か」
「……動きにくいけどな」
 彼はにやりと笑って鎖を引っ張った。
 両手両足、そして首に、太い鎖が巻き付いている。
 格子の奥に視線を送る。
 同じように鎖に繋がれた人が何人か見えた。
 ぐったりとしているが死んではいないようだ。
 城に居た者が大半だが、それにしては数が少ない。
 反対側の格子に目をやると、そちらにも何人か居たがそれは町の者だった。
 ウォルファーが格子を開けようと悪戦苦闘していた。
 城の者は他にいない。

「……おい、他の者はどうした」
 嫌な予感がする。
「他の者は、皆連れて行かれた」
「何処に」
 焦りの滲む声で問うと、彼は視線を奥にやった。
 つられて目をやる。

 奥は、更に濃い闇に覆われていて見通せなかった。
 と、視界の端を誰かが横切った。

「……ルシェイド?」
Comment
Name
Title
Color
Mail
URL
Comment   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
Password
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
HOME 220  221  222  223  224  225  226  227  228  229  230 
HOME
Copyright(C)2001-2012 Nishi.All right reserved.
倉庫
管理者:西(逆凪)、または沖縞

文章の無断転載及び複製は禁止。
カレンダー
03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
最新記事
[長編] Reparationem damni  (03/12)
[長編] Reparationem damni  (03/12)
[長編] Reparationem damni  (10/19)
[長編] Reparationem damni  (10/19)
[長編] Reparationem damni  (09/07)
忍者ブログ [PR]
PR