小説用倉庫。
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その視界の隅で何かが動いた次の瞬間、俺は伸ばした手でそのままルシェイドの肩を掴み、自分の後ろへ追いやった。
かばうように、立つ。
それはゆっくりと姿を現した。
動きを見ればどこか狼のように、それはしなやかに眼前に立ちふさがった。
体毛の一つも無いその身体はぬめりを帯びて僅かの明かりに光り、所々がグロテスクに節くれ立ち、脈動に合わせて波打っている。
動きはしなやかなのに優雅さは欠片も無い。
「ライナート」
低い、抑えた声。
ウォルファーか。
「何だ」
視線は目の前のモノに据えたまま、短く答える。
「囲まれてる」
「……判ってる」
舌打ちしたい気分だ。
「ルシェイド、防御を頼む」
後ろに居る彼に囁くが、返事が返ってこない。
「おい」
少し声を大きくして呼ぶが、それでも動きが無い。
再度声をかけようとしたとき、目の前の獣が動いた。
姿勢を低く構える。
飛び掛る気か。
注意を目の前の、そして周りの獣に振り分けた時、背後からぽつりと小さな声が聞こえた。
「ごめんね」
何、と振り返ろうとして、いきなり吹き掛けてきた熱気に目を細める。
熱源はルシェイドだ。
緩く差し招かれるように伸ばした手に、赤く輝く炎が形作られていた。
徐々に姿を変え、大きくなっていく。
火の、魔法。
こんな、閉鎖空間でか!
火はこういう空間で使うには加減が難しい。
弱すぎれば敵は倒れず、強すぎれば味方も死ぬ。
火の勢いはどんどん強くなっていく。
視線は獣に送ったまま。
その時、別の気配が感じ取れた。
ぼんやりと周囲の壁が青白く光る。
複雑に描かれた模様。
構成は読み取れる。
これは魔法、だ。
効果は、反射。
炎を返されたらひとたまりもない。
かばうように、立つ。
それはゆっくりと姿を現した。
動きを見ればどこか狼のように、それはしなやかに眼前に立ちふさがった。
体毛の一つも無いその身体はぬめりを帯びて僅かの明かりに光り、所々がグロテスクに節くれ立ち、脈動に合わせて波打っている。
動きはしなやかなのに優雅さは欠片も無い。
「ライナート」
低い、抑えた声。
ウォルファーか。
「何だ」
視線は目の前のモノに据えたまま、短く答える。
「囲まれてる」
「……判ってる」
舌打ちしたい気分だ。
「ルシェイド、防御を頼む」
後ろに居る彼に囁くが、返事が返ってこない。
「おい」
少し声を大きくして呼ぶが、それでも動きが無い。
再度声をかけようとしたとき、目の前の獣が動いた。
姿勢を低く構える。
飛び掛る気か。
注意を目の前の、そして周りの獣に振り分けた時、背後からぽつりと小さな声が聞こえた。
「ごめんね」
何、と振り返ろうとして、いきなり吹き掛けてきた熱気に目を細める。
熱源はルシェイドだ。
緩く差し招かれるように伸ばした手に、赤く輝く炎が形作られていた。
徐々に姿を変え、大きくなっていく。
火の、魔法。
こんな、閉鎖空間でか!
火はこういう空間で使うには加減が難しい。
弱すぎれば敵は倒れず、強すぎれば味方も死ぬ。
火の勢いはどんどん強くなっていく。
視線は獣に送ったまま。
その時、別の気配が感じ取れた。
ぼんやりと周囲の壁が青白く光る。
複雑に描かれた模様。
構成は読み取れる。
これは魔法、だ。
効果は、反射。
炎を返されたらひとたまりもない。
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管理者:西(逆凪)、または沖縞
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