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2012/02/05 (Sun)
 南の施設がいつからあるのか、知ってる奴は居ないだろう。
 酷く古くから、そこは施設として存在した。
 何の施設なのか知ってる者も、行った事のある者も殆ど無く、ただ忌まわしいものとして皆に認識されているだけだ。
 俺が中に入ったのは、まだリーヴァセウスに拾われる前、森で暮らしていたときの事だ。
 単調な森の暮らしに飽きていた。
 一言で言うなら暇つぶしだ。
 一見すると普通の建物なのに、入って直ぐのいくつかある扉の中は、普通とは言い難い、見たことの無いものが多数あった。
 生き物、と言って良いかはわからない。
 それらの殆どは蠢き、生きていた。
 すでにその原型は留めていなかったにしても。
 細かいところは、よく覚えていない。
 ただ、それ以来一度として近寄らなかったのは確かだ。
 おぞましい、感情だけは残っている。

 そんな事を思い出しながら、施設へと向かっていると変な顔をしたルシェイドと視線が合った。
 変な顔、と言っても面白い顔をしているわけじゃなく、ただ、痛みを堪えるような、何ともいえない顔になっている。

「どうかしたか」
 問うと、彼は何でもないと言ってさっさと歩を進めた。
 よくわからない。
 相変わらず謎だ。

 中は薄暗く、湿り気を帯びていた。
 不快な湿度だ。
 微かに鉄錆の臭いがする。
「あ、待てよ!」
 ウォルファーの声にはっとする。
 周りにばかり気を取られていたが、その隙にルシェイドはさっさと先に進んでいた。
 左右の扉には見向きもしない。
 この施設に、何があるか知っているようだった。
 おそらく見たくないのだろう。
 後を追って走るウォルファーについていく。
 薄暗い中、ルシェイドは迷う素振りも見せずに進んでいる。
「ルシェイド、道は判っているのか?」
「うん」
 答える声は短い。

 どうしたのだ、と問おうと肩に手を伸ばした。
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