小説用倉庫。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
俺はルシェイドをその場に横たわらせると、ゆっくりと立ち上がった。
立ち上がるのにもかなりの気力がいる。
だがここで寝ていれば確実に死ぬ。
「……さっきから、うるせぇんだよッ!」
叫びざま、短刀を投げつける。
それは狙い違わず、口と思しき穴に吸い込まれるように突き刺さった。
黒塗りの剣。
刃には死を招く呪いを。
そして。
名前は。
「黒死の剣! 『弾けろ』ッ!」
叫ぶと同時に鳴き声は耳を劈く悲鳴へと変わった。
それは巨体を激しく震わせると、手当たり次第に壁や床を叩きつけた。
そのあまりの振動に思わず膝をつく。
威力が足りなかった。
それなら、もう一度。
「『弾けろ』ッ!」
投げつけざま、叫ぶ。
激しく暴れている為いくつかは逸れたが、他はまた内部で弾けた。
飲み込んだのか、腹の部分が醜く肥大する。
ぐぅ、と呻いて、それは緑色の体液を吐き出した。
かからないように、ルシェイドを抱えて背後に跳躍する。
液体が触れたところが白く煙をあげるのを見て、眉をひそめる。
酸か。
あたるわけにはいかない。
緑の中に所々黒いものが混じっているのは、短剣の名残だろう。
袖から別の短剣を取り出す。
今の所反撃は無い。
だがこのまま一気に仕留めた方が良いだろう。
鳴き声は耳障りだ。
短剣を投げつける。
それの身体に。
床に。
周囲を覆うように。
「赤朱の色は炎を示す。『燃えろ』!」
ばち、と火花が飛び散り、それを合図に短剣から炎が噴出す。
焼け焦げる異臭。
何度も嗅ぎたい臭いじゃない。
悲鳴と苦鳴の混ざった絶叫を響かせ、それは炎の柱となって蠢いた。
これ以上火力をあげるとこちらにまで被害が出る。
燃え尽きろ、と念じながら、ルシェイドに火の粉が及ばないように庇う。
立ち上がるのにもかなりの気力がいる。
だがここで寝ていれば確実に死ぬ。
「……さっきから、うるせぇんだよッ!」
叫びざま、短刀を投げつける。
それは狙い違わず、口と思しき穴に吸い込まれるように突き刺さった。
黒塗りの剣。
刃には死を招く呪いを。
そして。
名前は。
「黒死の剣! 『弾けろ』ッ!」
叫ぶと同時に鳴き声は耳を劈く悲鳴へと変わった。
それは巨体を激しく震わせると、手当たり次第に壁や床を叩きつけた。
そのあまりの振動に思わず膝をつく。
威力が足りなかった。
それなら、もう一度。
「『弾けろ』ッ!」
投げつけざま、叫ぶ。
激しく暴れている為いくつかは逸れたが、他はまた内部で弾けた。
飲み込んだのか、腹の部分が醜く肥大する。
ぐぅ、と呻いて、それは緑色の体液を吐き出した。
かからないように、ルシェイドを抱えて背後に跳躍する。
液体が触れたところが白く煙をあげるのを見て、眉をひそめる。
酸か。
あたるわけにはいかない。
緑の中に所々黒いものが混じっているのは、短剣の名残だろう。
袖から別の短剣を取り出す。
今の所反撃は無い。
だがこのまま一気に仕留めた方が良いだろう。
鳴き声は耳障りだ。
短剣を投げつける。
それの身体に。
床に。
周囲を覆うように。
「赤朱の色は炎を示す。『燃えろ』!」
ばち、と火花が飛び散り、それを合図に短剣から炎が噴出す。
焼け焦げる異臭。
何度も嗅ぎたい臭いじゃない。
悲鳴と苦鳴の混ざった絶叫を響かせ、それは炎の柱となって蠢いた。
これ以上火力をあげるとこちらにまで被害が出る。
燃え尽きろ、と念じながら、ルシェイドに火の粉が及ばないように庇う。
Comment
倉庫
管理者:西(逆凪)、または沖縞
文章の無断転載及び複製は禁止。
文章の無断転載及び複製は禁止。
カレンダー
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
カテゴリー
- ご挨拶。(3)
- [長編] Reparationem damni(12)
- [長編] Nocte repono rubei(72)
- [長編] Sinister ocularis vulnus (30)
- [長編] Lux regnum(61)
- [長編] Pirata insula(47)
- [長編] Purpura discipulus(43)
- [長編] Quinque lapidem(29)
- [短編] Canticum Dei(3)
- [短編] Candidus Penna(9)
- [短編] Dignitate viveret,Mori dignitas (11)
- [短編] Praefiscine(3)