小説用倉庫。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ずっと、この時間が永遠に続くのだと思っていた。
信じて疑わなかった。
ずっと一緒にいるのだと。
半ば盲目的に。
だけどあの時。
それが幻想だと、思い知らされた。
砂塵の舞う、あの場所で。
漂う異臭は血の臭い。
「……ファレル!」
探すのは、金の髪の。
自分の半身。
存在のすべて。
唯一の、光。
安らぎ。
なのに見つからない。
そのことが、焦りを生む。
「ファレル……!」
叫ぶ。
絞り出すような、声。
「……ラインシェーグ!!」
聞こえてきた、いつも聞きなれた声がした次の瞬間。
視界は金色に染められた。
それが自分を庇ったファレルの髪だと気づいたのは、彼女が自分に倒れかかってきた後だ。
流れ出る血が、ぬるりと手にすべる。
「……良かった……無事、みたいね……」
微笑んで、彼女は目を閉じた。
青ざめていく彼女の口から、一筋の赤い糸が伝った。
鮮やかな。
血の。
色。
その後のことは、あまり覚えていなかった。
気づけば、周りにいた人たちはすべて事切れていて。
ただ冷たくなっていくファレルの亡骸を抱きしめていた。
涙も流さずに。
ただ。
信じて疑わなかった。
ずっと一緒にいるのだと。
半ば盲目的に。
だけどあの時。
それが幻想だと、思い知らされた。
砂塵の舞う、あの場所で。
漂う異臭は血の臭い。
「……ファレル!」
探すのは、金の髪の。
自分の半身。
存在のすべて。
唯一の、光。
安らぎ。
なのに見つからない。
そのことが、焦りを生む。
「ファレル……!」
叫ぶ。
絞り出すような、声。
「……ラインシェーグ!!」
聞こえてきた、いつも聞きなれた声がした次の瞬間。
視界は金色に染められた。
それが自分を庇ったファレルの髪だと気づいたのは、彼女が自分に倒れかかってきた後だ。
流れ出る血が、ぬるりと手にすべる。
「……良かった……無事、みたいね……」
微笑んで、彼女は目を閉じた。
青ざめていく彼女の口から、一筋の赤い糸が伝った。
鮮やかな。
血の。
色。
その後のことは、あまり覚えていなかった。
気づけば、周りにいた人たちはすべて事切れていて。
ただ冷たくなっていくファレルの亡骸を抱きしめていた。
涙も流さずに。
ただ。
Comment
倉庫
管理者:西(逆凪)、または沖縞
文章の無断転載及び複製は禁止。
文章の無断転載及び複製は禁止。
カレンダー
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
カテゴリー
- ご挨拶。(3)
- [長編] Reparationem damni(12)
- [長編] Nocte repono rubei(72)
- [長編] Sinister ocularis vulnus (30)
- [長編] Lux regnum(61)
- [長編] Pirata insula(47)
- [長編] Purpura discipulus(43)
- [長編] Quinque lapidem(29)
- [短編] Canticum Dei(3)
- [短編] Candidus Penna(9)
- [短編] Dignitate viveret,Mori dignitas (11)
- [短編] Praefiscine(3)