忍者ブログ
小説用倉庫。
HOME 189  190  191  192  193  194  195  196  197  198  199 
2024/11/23 (Sat)
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2012/02/05 (Sun)
 少し不安になってフォリィアが問い掛ける。
「……死んでないよな?」
「……ディリクは死なないよ? ……一応ね」
「何だ一応って」
「まぁまぁ。……ホントに疲れたんだなー。起きないや」
 諦めたようにため息をついてソファに寝転がる。
「お前も疲れたんだろう? しばらく休んでおけ」
「ん。でも十分休んだよ。僕はね」
「その顔色でか?」
 片目を細めて意地悪く問い掛けると、ルシェイドは眉間にしわを寄せた。
「どうしてそうわかっちゃうかなぁ。……今までほとんどの人わかんなかったのに」
 フォリィアは答えず、書類を片付けにかかる。

「そうだ、フォリィア今暇?」
「お前にはこれが暇そうに見えるのか?」
 机の上に山とつまれた書類を見て、ルシェイドが口をつぐむ。
 処理済の方が多いが、やってない人間から見れば未処理はずいぶん多く見えるだろう。
 作業を続行したフォリィアは、けれど静かになってしまったルシェイドを怪訝そうに見上げた。
「何をじっと見てるんだ」
「それ、いつ頃終りそう?」
「……半刻くらいあれば何とかなるだろう」
 苦虫を噛み潰したような顔でフォリィアが答える。
 ぽんと手を打って、ルシェイドは朗らかに言った。
「じゃあ、それ終わったら起こしてね。いいとこ連れてってあげるから」
「何だ、それは」
「まあ、お楽しみってことで。早く終わらせなよ」
 フォリィアがなにか言うより早く、ルシェイドはソファに横になった。
 すぐに穏やかな寝息が聞こえてくる。
 ディリクは変わらず目を覚まさない。
 ため息をついて、フォリィアは天井を見上げた。
Comment
Name
Title
Color
Mail
URL
Comment   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
Password
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
HOME 189  190  191  192  193  194  195  196  197  198  199 
HOME
Copyright(C)2001-2012 Nishi.All right reserved.
倉庫
管理者:西(逆凪)、または沖縞

文章の無断転載及び複製は禁止。
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新記事
[長編] Reparationem damni  (03/12)
[長編] Reparationem damni  (03/12)
[長編] Reparationem damni  (10/19)
[長編] Reparationem damni  (10/19)
[長編] Reparationem damni  (09/07)
忍者ブログ [PR]
PR