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2012/02/05 (Sun)
 とたん、彼らの足元が崩れていく。
 足先から、膝に、腰に。
 徐々に砂と化していく。
 表情など見えず、ただ崩れていくことに悲鳴をあげているだけのような。
 一瞬目をそらした瞬間に、彼らは跡形も無く消え去った。
 塵も、残らない。

 何か重いものが倒れる音がしてそちらを見ると、ルークが倒れていた。
 ルシェイドのほうへ視線を寄せる。
 彼が頷いたので迷わず駆けつけた。
「ルーク……!」
 顔色が良い。
 少なくとも先ほどの死人のような顔色ではない。
 そのことに、少なからず安堵する。

「……とりあえず、……まだ成功とは言えないから、時間を置いてまた、様子を見ないといけないかなぁ」
 長いため息をついてルシェイドが言う。
 先ほどからしゃべらないなとディリクのほうを見ると、彼は壁に寄りかかって目を閉じていた。
 表情は険しい。
「ディリク……?」
 怪訝そうに呼びかけると、ルシェイドがこともなげに言った。
「ああ、疲れたんでしょ。……さて、ここから出ようよ。何か気が滅入る」
「そりゃ牢だからな」
 フォリィアはルークを牢の寝台に横たえ、ディリクを背負った。
 思ったより軽い。
「ルシェイドは、平気なのか?」
「きついけど、彼よりはまし」
 恨めしそうにディリクを見て、ルシェイドが答える。
 歩き出したルシェイドにあわせて、フォリィアが後を追う。
 向かった先はフォリィアの部屋だ。
「とりあえずここで寝かして。疲れた」
 部屋につくなりルシェイドがソファに倒れた。
 声をかけようと思ったが、すでに寝息を立てていたのでそのままそっとディリクをもうひとつのソファに横たえる。

 フォリィアは寝入った二人を見て、どうしようか途方にくれていた。
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