小説用倉庫。
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「俺たちの目的地を知ってるのか?」
怪訝そうにオルカーンが言う。
あまり目指す場所は特定させていない。
秘している、のに。
その人物は今の目的地を知っている。
オルカーンは警戒を露わにしてレインの答えを待った。
その前に、とん、と地図を叩いて、ルベアが注意を集める。
二人の注意が集まったところで、彼は口を開いた。
「最初から話せ。誰に、何を取って来いと言われて、その地図を借りた?」
「んと、ディリクに、『きよーせきじゅ』を取って来いって言われた。……花の状態が好ましいらしいけど、根ごとであれば問題ないみたい。ちゃんと持ってこれたら、この地図くれるって」
にこやかに言うレインに、ルベアは苦虫を噛み潰したような顔で聞いた。
「……お前、貴葉石樹って何か知ってんのか?」
レインは、よくわかっていない顔で首を傾げた。
頭の痛いことにオルカーンもほぼ同様の表情を浮かべている。
「……それの生息している場所は聞いているよな?」
「うん。此処の山だって」
得意げに指差した先は、王都より北の方角にある山だった。
オルカーンがぽかんと口を開け、ルベアは溜め息をついた。
「……貴葉石樹って言うのは、空気中の毒素を吸収し、清浄にする効果をもつ樹木の一種だ。めったに群生せず、大気の毒素が多いほど大量の花を咲かせる。主な生息地は確かにこの山の中腹だ」
一気に説明して二人を見ると、へぇ、と言いながら頷いていた。
その反応にルベアは額に手を当てて項垂れた。
わかってはいないようだ。
「あのな……、毒素を消す樹を抜いたら、どうなると思う?」
「あー……」
思い至ったのか、オルカーンが声を出した。
溜め息に近かったが。
群生はしない。
つまり、一つ抜くとその場の毒素を浄化するものが何もなくなる可能性が高いという事だ。
「元をどうにかしないと駄目ってことだな」
「どうにかできないの?」
何も考えていないような表情で問うレインを、呆れたようにルベアが答える。
「最悪を考えておけよ。聖山であるはずの場所に生えてるんだ。元は相当なものだ。……それに、情報は殆ど無い」
それを聞いてレインが押し黙る。
途端沈黙が落ちた。
緩やかに風が吹いていく。
怪訝そうにオルカーンが言う。
あまり目指す場所は特定させていない。
秘している、のに。
その人物は今の目的地を知っている。
オルカーンは警戒を露わにしてレインの答えを待った。
その前に、とん、と地図を叩いて、ルベアが注意を集める。
二人の注意が集まったところで、彼は口を開いた。
「最初から話せ。誰に、何を取って来いと言われて、その地図を借りた?」
「んと、ディリクに、『きよーせきじゅ』を取って来いって言われた。……花の状態が好ましいらしいけど、根ごとであれば問題ないみたい。ちゃんと持ってこれたら、この地図くれるって」
にこやかに言うレインに、ルベアは苦虫を噛み潰したような顔で聞いた。
「……お前、貴葉石樹って何か知ってんのか?」
レインは、よくわかっていない顔で首を傾げた。
頭の痛いことにオルカーンもほぼ同様の表情を浮かべている。
「……それの生息している場所は聞いているよな?」
「うん。此処の山だって」
得意げに指差した先は、王都より北の方角にある山だった。
オルカーンがぽかんと口を開け、ルベアは溜め息をついた。
「……貴葉石樹って言うのは、空気中の毒素を吸収し、清浄にする効果をもつ樹木の一種だ。めったに群生せず、大気の毒素が多いほど大量の花を咲かせる。主な生息地は確かにこの山の中腹だ」
一気に説明して二人を見ると、へぇ、と言いながら頷いていた。
その反応にルベアは額に手を当てて項垂れた。
わかってはいないようだ。
「あのな……、毒素を消す樹を抜いたら、どうなると思う?」
「あー……」
思い至ったのか、オルカーンが声を出した。
溜め息に近かったが。
群生はしない。
つまり、一つ抜くとその場の毒素を浄化するものが何もなくなる可能性が高いという事だ。
「元をどうにかしないと駄目ってことだな」
「どうにかできないの?」
何も考えていないような表情で問うレインを、呆れたようにルベアが答える。
「最悪を考えておけよ。聖山であるはずの場所に生えてるんだ。元は相当なものだ。……それに、情報は殆ど無い」
それを聞いてレインが押し黙る。
途端沈黙が落ちた。
緩やかに風が吹いていく。
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