小説用倉庫。
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「フェイネスは別にどうでもいいんだけど。彼がいないと駄目なんだよ」
怪訝そうに方眉を寄せると、彼は苦笑した。
フェイネスは、今回の暗殺目標だった。
ロスウェルの、次の王位継承者。
それを、どうでもいいと。
言い切るこの子供は。
「おまえは、一体何なんだ?」
落ち着くように自分に言い聞かせて、問い掛ける。
けれど彼は笑みを深くしただけで答えない。
右手を上げ、前を指差す。
自分の、背後。
来た方向を。
「去れ。ここはまだおまえの来るところじゃないよ」
そうして右手を一振り。
視界が白く染まるのがわかったが、どうしたらいいかもわからなかった。
「……おんしが、侵入者かえ?」
目眩のする頭を振ると、目の前に自分の胸のあたりほどもない背の小さな女性がいた。
さっきの廊下ではない、ここはどこかの部屋のようだった。
「答えよ」
なおも黙っていると、彼女はきつい口調で言い放った。
毅然とした。
声。
よく注意してみると、どうやら目が見えないようだ。
こちらの方を向いているが場所がわかっているわけではないらしい。
「侵入者はここに連れてこられるようになっておる。……もしやと思うが、口が聞けぬのかえ?」
「……ここはどこだ」
絞り出すような小さな声で応えると、彼女はぴたりとこちらに顔を向けてきた。
「先に聞いたのは私のほうじゃが……?」
徐々にいらいらしてきて、唐突にこの目の前の女性を殴りたい衝動に駆られた。
けれどそれは何とか押さえ込む。
「ああ、そうだよ。侵入したさ!」
自棄のように肯定すると、彼女はひとつ頷き、背後に向かって呼びかけた。
「ラクス! そこにおるか?」
「……なんだよ。どうした?」
すぐに背後の扉が開き、男がひとり出てきた。
怪訝そうに方眉を寄せると、彼は苦笑した。
フェイネスは、今回の暗殺目標だった。
ロスウェルの、次の王位継承者。
それを、どうでもいいと。
言い切るこの子供は。
「おまえは、一体何なんだ?」
落ち着くように自分に言い聞かせて、問い掛ける。
けれど彼は笑みを深くしただけで答えない。
右手を上げ、前を指差す。
自分の、背後。
来た方向を。
「去れ。ここはまだおまえの来るところじゃないよ」
そうして右手を一振り。
視界が白く染まるのがわかったが、どうしたらいいかもわからなかった。
「……おんしが、侵入者かえ?」
目眩のする頭を振ると、目の前に自分の胸のあたりほどもない背の小さな女性がいた。
さっきの廊下ではない、ここはどこかの部屋のようだった。
「答えよ」
なおも黙っていると、彼女はきつい口調で言い放った。
毅然とした。
声。
よく注意してみると、どうやら目が見えないようだ。
こちらの方を向いているが場所がわかっているわけではないらしい。
「侵入者はここに連れてこられるようになっておる。……もしやと思うが、口が聞けぬのかえ?」
「……ここはどこだ」
絞り出すような小さな声で応えると、彼女はぴたりとこちらに顔を向けてきた。
「先に聞いたのは私のほうじゃが……?」
徐々にいらいらしてきて、唐突にこの目の前の女性を殴りたい衝動に駆られた。
けれどそれは何とか押さえ込む。
「ああ、そうだよ。侵入したさ!」
自棄のように肯定すると、彼女はひとつ頷き、背後に向かって呼びかけた。
「ラクス! そこにおるか?」
「……なんだよ。どうした?」
すぐに背後の扉が開き、男がひとり出てきた。
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管理者:西(逆凪)、または沖縞
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