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2012/02/05 (Sun)
「ああ、これは駄目だね。残念だけど……」

 冬杣はそう言って手にもっていた包帯をくるくるとしまう。
 彼女は医者としての資格も有するので、大抵のけが人などは彼女に任せられる。
 運ばれてきたのは、薄氷たちとそう年のかわらなそうな青年だ。
 彼は頭部が血まみれの状態で発見された。

「そうなの?」
 心配そうに東旭が聞く。
「まだ目が覚めてみないと断定はできないけど」

 傷があったのは左眼より少し上の位置。
 けれど傷は大きくて、失明している可能性が高いと冬杣が告げたのだ。

「大変ですねェ。どこから来たんでしょう」
 酒星が腕を組んで首をひねる。

 聞き取れないほどかすかな呼吸を続ける青年は、どの大陸にも見られない装飾をつけている。
 白く長い上着の裾などに細かな金の刺繍が施してある。
 布も上等のものだ。

「まぁ今日は様子を見よう」
 そういう冬杣の言に従って、各々はその場から散っていった。
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