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2012/02/05 (Sun)
「おや、遅かったね」

 家に入ると冬杣がお茶を飲んでいた。
 他にも3人。

「……冬杣、それ、私の茶じゃないのか……?」
 何とか脱力感を阻止しながらたずねる。
「そうだよ。帰ってこないからね。勝手に拝借しておいた」
 さらりと言ってのける。

 あぁやはり彼女には適いそうも無い。
 嘆息しつつ、そんなことを思う。

「あ、おまえ、今度は何を持ってきたんだ!?」
 踏青が目ざとくこちらの右手に持っているものを見つけて叫ぶ。
 ニヤリと笑うと、踏青に向かって袋を振る。
「今度の毒の原材料」
「わーッ!! やめてくれよッ! 新しい毒つくんな-!!」
 慌てて立ち上がってこちらに手を伸ばす彼をひょいと避けて、一番奥の空いている椅子に座る。

「……で、諦めてくれないか?」
 横で騒ぐ踏青を放って、ルシェイドに話し掛ける。
「……でも、彼は肉親だろう」
「嫌われているがね」
 溜息をついて背もたれに深く背を預ける。

 高西風はロウの依頼で殺しにきた。
 ルシェイドはロウの依頼で、彼に会えと言う。
 この場合どちらを信用すべきか。

「……高西風、お前依頼受けたのいつだっけ?」
「この間だよ。えっと、1週間前くらい」
「ルシェイドは?」
「3日くらい」
「どう思う?」
 全員の顔を順番に見る。
 何考えてるのかわからないのは冬杣。
 話しについていけず、さっきの焦りもどこかへやっているのは踏青。
 高西風は首を傾げたままで。
 ルシェイドは俯いて考え込んでいるようだ。
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