小説用倉庫。
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翌朝。
まんじりともせずにベッドから身を起こしたアィルは、ため息とともに窓の外を見た。
泣きたくなるほど天気のよい日だった。
そういえば最近はずっと天気がよい。
昨日のうちにある程度済ませておいた荷物を確認して、部屋から出る。
ヴィオルウスの部屋の前に来たが、何の物音もしないので首を傾げながら開けてみた。
「……ヴィオルウス?」
覗いてみると、まだ寝ていたらしい。
もそりとベッドからヴィオルウスが顔を出した。
「……朝?」
「早すぎたか?」
「……起きるよ……」
半分寝ぼけた表情でベッドから這い出ると、ヴィオルウスは両手を上にあげて伸びをした。
「エールまでならここから急いで2日ってところだろ」
「……そうなの?」
心持ち目を見開いてヴィオルウスが問い掛ける。
アィルは苦笑して窓を開け放った。
外の風が入り込んでくる。
「何か飲み物でも用意するか? そのほうが目が覚めるだろ」
「……うーん……」
「じゃあ起きたら下に来いよ」
床に置いてあった荷物を手にとって、アィルは部屋の外に出た。
結局家を出たのは日が高く昇ったあとだった。
「遅くなっちまったな」
「……ごめん」
荷物を背負って、ヴィオルウスがうつむく。
前を歩くアィルは、肩越しに振り返った。
「まぁいいさ。お前が速く歩けばいいんだからな」
にやりと笑われて、ヴィオルウスは思わず情けない顔をした。
「ほら、行くぞ」
「行きましたか?」
「行ったようです」
家のドアが薄く開く。
ふたりの背中が完全に見えなくなるまで、それは細く開いたままだった。
「予定より少し遅れたようだけれど、何とかなりそうですよ」
「そう……願いたいものですね」
扉は音も無く閉ざされた。
まんじりともせずにベッドから身を起こしたアィルは、ため息とともに窓の外を見た。
泣きたくなるほど天気のよい日だった。
そういえば最近はずっと天気がよい。
昨日のうちにある程度済ませておいた荷物を確認して、部屋から出る。
ヴィオルウスの部屋の前に来たが、何の物音もしないので首を傾げながら開けてみた。
「……ヴィオルウス?」
覗いてみると、まだ寝ていたらしい。
もそりとベッドからヴィオルウスが顔を出した。
「……朝?」
「早すぎたか?」
「……起きるよ……」
半分寝ぼけた表情でベッドから這い出ると、ヴィオルウスは両手を上にあげて伸びをした。
「エールまでならここから急いで2日ってところだろ」
「……そうなの?」
心持ち目を見開いてヴィオルウスが問い掛ける。
アィルは苦笑して窓を開け放った。
外の風が入り込んでくる。
「何か飲み物でも用意するか? そのほうが目が覚めるだろ」
「……うーん……」
「じゃあ起きたら下に来いよ」
床に置いてあった荷物を手にとって、アィルは部屋の外に出た。
結局家を出たのは日が高く昇ったあとだった。
「遅くなっちまったな」
「……ごめん」
荷物を背負って、ヴィオルウスがうつむく。
前を歩くアィルは、肩越しに振り返った。
「まぁいいさ。お前が速く歩けばいいんだからな」
にやりと笑われて、ヴィオルウスは思わず情けない顔をした。
「ほら、行くぞ」
「行きましたか?」
「行ったようです」
家のドアが薄く開く。
ふたりの背中が完全に見えなくなるまで、それは細く開いたままだった。
「予定より少し遅れたようだけれど、何とかなりそうですよ」
「そう……願いたいものですね」
扉は音も無く閉ざされた。
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管理者:西(逆凪)、または沖縞
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