小説用倉庫。
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水の国寄りに進んでいくと、前方から人影が近づいて来た。
ゆっくりと、地面を踏みしめるかのような動き。
真っ先に気づいたのはミカゲだった。
「あれは……ラクス?」
その声に、サキは目を凝らすが、よく見えない。
ようやく互いの顔が判別できるくらいの距離に縮まったとき、それがミカゲの言うとおり水の国主付き人であることがわかる。
「何で、こんなとこに……?」
「ラクス!」
叫んで駆け寄ると、彼はその場に立ち止まった。
ぼんやりした表情。
「……ああ、サキか」
「ああじゃない! どうしたんだ、こんなとこで……!」
「……サキ。セプテントゥリオーは滅びたよ」
どこか自嘲気味に。
淡々と紡がれた言葉に、サキが目を見張る。
「なんだって……? どういうことだ」
ラクスは答えず、背を向けた。
「……じゃあな。俺は確かに伝えたぞ」
「待て! ……どこへ行くんだ?」
歩きかけていたラクスは、肩越しにふり返ってサキを見据えた。
聞き取れないほどの小さな声で呟く。
「国に……」
視線を前に向け、歩き出す。
「……ヒウリの元へ」
3人は追うこともできずにその姿を見送った。
「……これで、残るのは風の国だけになってしまったんだな……」
囁きには誰も答えず、ただ風だけが吹いていた。
ゆっくりと、地面を踏みしめるかのような動き。
真っ先に気づいたのはミカゲだった。
「あれは……ラクス?」
その声に、サキは目を凝らすが、よく見えない。
ようやく互いの顔が判別できるくらいの距離に縮まったとき、それがミカゲの言うとおり水の国主付き人であることがわかる。
「何で、こんなとこに……?」
「ラクス!」
叫んで駆け寄ると、彼はその場に立ち止まった。
ぼんやりした表情。
「……ああ、サキか」
「ああじゃない! どうしたんだ、こんなとこで……!」
「……サキ。セプテントゥリオーは滅びたよ」
どこか自嘲気味に。
淡々と紡がれた言葉に、サキが目を見張る。
「なんだって……? どういうことだ」
ラクスは答えず、背を向けた。
「……じゃあな。俺は確かに伝えたぞ」
「待て! ……どこへ行くんだ?」
歩きかけていたラクスは、肩越しにふり返ってサキを見据えた。
聞き取れないほどの小さな声で呟く。
「国に……」
視線を前に向け、歩き出す。
「……ヒウリの元へ」
3人は追うこともできずにその姿を見送った。
「……これで、残るのは風の国だけになってしまったんだな……」
囁きには誰も答えず、ただ風だけが吹いていた。
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管理者:西(逆凪)、または沖縞
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