小説用倉庫。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
とりあえず3人はいったんオッカースゥスに戻った。
放心状態のミカゲをそのままにしておくのも忍びなかったし、何よりも彼は行く所が無かったからだ。
「どうやら、ヒウリの言ったとおりのようだな」
「どういうことです?」
「一番、危ないのはオリエーンスだと、言っていた」
サキは極力冷静な声で告げた。
苦しそうな顔でミカゲは息を吐いた。
体中から空気が抜けるかと思うような、長いため息だった。
「時間が、戻せるなら良いんですけど……無理ですよね」
苦笑して、顔を上げる。
疲れの色が濃いものの、普段と変わらないように気を使っているのがよくわかる。
けれど隠せない、哀しみにくれた瞳。
「……ミカゲ……」
「私は、大丈夫です」
「説得力が無いよ、そんなこと言われても。……今日はもう寝よう。どうするのかは、明日考えよう」
のどが渇いたのでサキはベッドから置きだし、台所まで行く。
コップに水を注ぎ、何気なく窓の外を見る。
何か動くものがあった。
なんだろうと目を凝らすと、それはミカゲだった。
眠れないのか。
無理もないだろうと水を飲み干し、その場を離れる。
歩いていくと中庭に出た。
自室に戻るつもりだったのにと、きびすを返しかけたとき、ふと目の端に動くものを捉えた気がしてそちらを見る。
黒い、何か。
疑問に思って近寄ると、それははっとしたように一瞬身を硬くし、すばやく茂みに入っていった。
「待て……!」
慌てて追いかける。
影に集中していた。
だから気づかなかった。
背後にレイラがいたことに。
放心状態のミカゲをそのままにしておくのも忍びなかったし、何よりも彼は行く所が無かったからだ。
「どうやら、ヒウリの言ったとおりのようだな」
「どういうことです?」
「一番、危ないのはオリエーンスだと、言っていた」
サキは極力冷静な声で告げた。
苦しそうな顔でミカゲは息を吐いた。
体中から空気が抜けるかと思うような、長いため息だった。
「時間が、戻せるなら良いんですけど……無理ですよね」
苦笑して、顔を上げる。
疲れの色が濃いものの、普段と変わらないように気を使っているのがよくわかる。
けれど隠せない、哀しみにくれた瞳。
「……ミカゲ……」
「私は、大丈夫です」
「説得力が無いよ、そんなこと言われても。……今日はもう寝よう。どうするのかは、明日考えよう」
のどが渇いたのでサキはベッドから置きだし、台所まで行く。
コップに水を注ぎ、何気なく窓の外を見る。
何か動くものがあった。
なんだろうと目を凝らすと、それはミカゲだった。
眠れないのか。
無理もないだろうと水を飲み干し、その場を離れる。
歩いていくと中庭に出た。
自室に戻るつもりだったのにと、きびすを返しかけたとき、ふと目の端に動くものを捉えた気がしてそちらを見る。
黒い、何か。
疑問に思って近寄ると、それははっとしたように一瞬身を硬くし、すばやく茂みに入っていった。
「待て……!」
慌てて追いかける。
影に集中していた。
だから気づかなかった。
背後にレイラがいたことに。
Comment
倉庫
管理者:西(逆凪)、または沖縞
文章の無断転載及び複製は禁止。
文章の無断転載及び複製は禁止。
カレンダー
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
カテゴリー
- ご挨拶。(3)
- [長編] Reparationem damni(12)
- [長編] Nocte repono rubei(72)
- [長編] Sinister ocularis vulnus (30)
- [長編] Lux regnum(61)
- [長編] Pirata insula(47)
- [長編] Purpura discipulus(43)
- [長編] Quinque lapidem(29)
- [短編] Canticum Dei(3)
- [短編] Candidus Penna(9)
- [短編] Dignitate viveret,Mori dignitas (11)
- [短編] Praefiscine(3)