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2012/02/05 (Sun)
「……で?」
 呆れの滲む声で尋ねる。
 何度目かは数えてなかったが、段々繰り返すのも飽きてきた。

「……あ、えーと、俺……!」

 今聞くまで完全に忘れてたな、こいつ。
 軽い頭痛を感じつつ次の言葉を待つ。
「ここで人を集めてるって聞いたから」
「……それで何で攻撃してきやがるんだテメェは」
「先手必勝かと思って」
「はぁ?」

 言ってる意味が分からない。
 何が先手なのやら。
「俺は、捕らわれた人を助けに来たんだ! ……なのにこうも簡単に捕まるなんて……」
 何か今おかしなこと言わなかったかこいつ。
「……何しに来たって?」
「だから、捕らわれた人を助けに」

 どうしよう。
 少なくとも嘘をついているようには見えない。
 しかし此処には捕らわれた人なんて居ない。
 捕らえるくらいなら城で雇いたいくらいだ。
「大人しく捕らえた人を解放しろよ!」
「……誰からその話聞いた?」
 びしりと突きつけられた指を無視して静かに問いかける。
 ウォルファーが怯えたように口をつぐんだ。
 脅しているつもりは無いが、まぁそれで答えるなら良いか。
「み……南の、町の奴から……」
「……なるほどね」

 町には俺の存在を快く思っていない者が多く居た。
 いらない面倒まで背負う気は無かったので近寄らなかったが、城に入った事も気に入らなかったってか。
 管理者になったことにも輪をかけて、だろうな。

 自然、笑みが浮かぶ。
 こんな、程度の低い事しか出来ないのか、あの町の連中は。
 単身乗り込んできたウォルファーの方が余程ましってもんだろう。
 まぁ馬鹿ではあるが。

「……お、おい……?」
 怯えた顔でウォルファーが呼びかける。
 さっきより怯えてねぇか?
 そんなに怖い顔をしていただろうかと考えつつ、ため息とともに吐き出した。
「結論から言おう。此処には捕らわれた人なんて存在しない」
「……嘘だ!」
「根拠は」
 切り返すと泣きそうな顔になった。
 素直というか感情的というか。
「根拠もねぇのに断定すんな」
 吐き捨てるように言ってから、言い過ぎたかと臍を噛む。
 年下だろう相手に対して大人気ない。
 がりがりと頭をかきながら呻く。

 俺にどうしろってんだよ。

「あー、その、何だ。そんなに信用できないなら、見て回るか?」
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