小説用倉庫。
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追いかけて出ようとすると、袖を引かれた。
「兄上、待ってください」
「何だ?」
「何故、私はここにいるのですか?」
不安そうに聞かれたことにはっとして、フォリィアはルシェイドを呼ぶ。
「何?」
彼は少し不機嫌そうに戻ってきた。
後ろからはディリクが顔を見せている。
「性格変わったことはいいとして、こいつが何故ここにいるのかはどうするんだ?」
「あ、そうか。……どうしたい?」
うーんと腕組みをして、ルシェイドは首を傾げる。
フォリィアはしばらく考え込んでから、おもむろに口を開いた。
「なかったことにってできるか?」
「どういうこと?」
「だから……エディウスを刺そうとしたことが、なければ、……こいつはここにいなくてもいいわけだし」
どうしても視線が泳ぐ。
けれど何とかルシェイドへと視線を戻す。
不意にルシェイドは底の知れない深い表情を見せると、静かに聞いてきた。
「本当にそれでいい?」
いつもの、明るく見える彼とは全く違う表情。
それでも答えに詰まったのはほんの一瞬。
「かまわない」
ルシェイドは短く息を吐くと、頷いてきびすを返した。
呆れたような、表情がちらりと見えた気がした。
ルークに向き直り、立たせる。
「お前はこれから自分の部屋に帰るんだ」
わからないか、と思ったが、意外にも素直に頷く。
「わかりました、兄上」
にっこりと微笑まれて、フォリィアは変な気分になる。
今までこんな風に微笑まれたことなどなかったから。
気がつくと何故か鳥肌が立っていた。
これに、慣れないといけないのか。
先に立って歩くルークの後ろを追いながら、聞こえないようにため息をついた。
「兄上、待ってください」
「何だ?」
「何故、私はここにいるのですか?」
不安そうに聞かれたことにはっとして、フォリィアはルシェイドを呼ぶ。
「何?」
彼は少し不機嫌そうに戻ってきた。
後ろからはディリクが顔を見せている。
「性格変わったことはいいとして、こいつが何故ここにいるのかはどうするんだ?」
「あ、そうか。……どうしたい?」
うーんと腕組みをして、ルシェイドは首を傾げる。
フォリィアはしばらく考え込んでから、おもむろに口を開いた。
「なかったことにってできるか?」
「どういうこと?」
「だから……エディウスを刺そうとしたことが、なければ、……こいつはここにいなくてもいいわけだし」
どうしても視線が泳ぐ。
けれど何とかルシェイドへと視線を戻す。
不意にルシェイドは底の知れない深い表情を見せると、静かに聞いてきた。
「本当にそれでいい?」
いつもの、明るく見える彼とは全く違う表情。
それでも答えに詰まったのはほんの一瞬。
「かまわない」
ルシェイドは短く息を吐くと、頷いてきびすを返した。
呆れたような、表情がちらりと見えた気がした。
ルークに向き直り、立たせる。
「お前はこれから自分の部屋に帰るんだ」
わからないか、と思ったが、意外にも素直に頷く。
「わかりました、兄上」
にっこりと微笑まれて、フォリィアは変な気分になる。
今までこんな風に微笑まれたことなどなかったから。
気がつくと何故か鳥肌が立っていた。
これに、慣れないといけないのか。
先に立って歩くルークの後ろを追いながら、聞こえないようにため息をついた。
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管理者:西(逆凪)、または沖縞
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