小説用倉庫。
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村に着いたのは、日も暮れてからだった。
予想していたよりは早い。
うつらうつらしていたオルカーンを起こし、アリアとレーウィスに礼を言う。
そのついでに宿を聞くと、無いと言われた。
「小さな村だもの。商売にならないのよ」
苦笑と共に言われ、ルベアは村を見回した。
所々に明かりが灯っているが、人の気配はあまりない。
ぽつりぽつりと家が並び、窓から僅かに漏れる明かり以外の場所は闇が深い。
「アィルの処に行くんでしょう? それなら行ってみなさいな」
「しかし……」
時刻はすでに深夜に近い。
普通の人間ならまず寝ている時間だ。
「大丈夫よ。結構遅くまで起きてるもの」
そういう問題ではないのだが、オルカーンに促すように視線を向けられ、ルベアは行ってみることにした。
「この道を真っ直ぐ行って、左側よ。結構大きい家だから、分かりやすいと思うわ」
そう言って、アリアはレーウィスと共に村へ入っていった。
直ぐに曲がり、視界から消えてしまう。
遠ざかる音を聞きながら、ルベアは溜め息と共に言った。
「……行くか」
そして二人は村へと足を踏み入れた。
言われた通りに道を歩くが、人の気配の少なさに首を傾げる。
「随分少ない村だな」
「んー……」
オルカーンが不思議そうな声を出して答えた。
「……どうした?」
「何か、変な気配が多い。此処って本当に人族の村?」
ルベアは怪訝そうにオルカーンを見、次いで村を見回した。
「俺には良く分からないな」
「さっきの二人も魔族だった。この村は純粋な人族が少ないのかも……」
そう言われてみても、ルベアにはその差は分からない。
注意深く村の気配を探ってみるが、やはり判別は難しい。
そうやって進んでいるうちに、道は直ぐに終わりになった。
「あれ?」
「此処じゃないか?」
首を傾げながら周りを見回すオルカーンに、ルベアが傍らを指し示す。
示された先の建物は、小さ目の宿屋の大きさだ。
今通ってきた道の脇に建っていた建物より、かなり大きい。
「……これ、一般家屋?」
不思議そうに、半ば呆然とした口調でオルカーンが問う。
「とりあえず行ってみよう」
問いには答えず、ルベアはその建物へと歩を進めた。
特に躊躇うことなく扉を叩く。
暫く待つが中からは何の反応もなかったので再度叩く。
今度は少し強めに。
がたん、と中の何処かで音がした。
そのまま待つと、軽めの足音が聞こえ、それから扉が開かれた。
「はい?」
現れたのは、黒髪に緑の目の少年だった。
ルベアより頭一つ分ほど背が低い。
予想していたよりは早い。
うつらうつらしていたオルカーンを起こし、アリアとレーウィスに礼を言う。
そのついでに宿を聞くと、無いと言われた。
「小さな村だもの。商売にならないのよ」
苦笑と共に言われ、ルベアは村を見回した。
所々に明かりが灯っているが、人の気配はあまりない。
ぽつりぽつりと家が並び、窓から僅かに漏れる明かり以外の場所は闇が深い。
「アィルの処に行くんでしょう? それなら行ってみなさいな」
「しかし……」
時刻はすでに深夜に近い。
普通の人間ならまず寝ている時間だ。
「大丈夫よ。結構遅くまで起きてるもの」
そういう問題ではないのだが、オルカーンに促すように視線を向けられ、ルベアは行ってみることにした。
「この道を真っ直ぐ行って、左側よ。結構大きい家だから、分かりやすいと思うわ」
そう言って、アリアはレーウィスと共に村へ入っていった。
直ぐに曲がり、視界から消えてしまう。
遠ざかる音を聞きながら、ルベアは溜め息と共に言った。
「……行くか」
そして二人は村へと足を踏み入れた。
言われた通りに道を歩くが、人の気配の少なさに首を傾げる。
「随分少ない村だな」
「んー……」
オルカーンが不思議そうな声を出して答えた。
「……どうした?」
「何か、変な気配が多い。此処って本当に人族の村?」
ルベアは怪訝そうにオルカーンを見、次いで村を見回した。
「俺には良く分からないな」
「さっきの二人も魔族だった。この村は純粋な人族が少ないのかも……」
そう言われてみても、ルベアにはその差は分からない。
注意深く村の気配を探ってみるが、やはり判別は難しい。
そうやって進んでいるうちに、道は直ぐに終わりになった。
「あれ?」
「此処じゃないか?」
首を傾げながら周りを見回すオルカーンに、ルベアが傍らを指し示す。
示された先の建物は、小さ目の宿屋の大きさだ。
今通ってきた道の脇に建っていた建物より、かなり大きい。
「……これ、一般家屋?」
不思議そうに、半ば呆然とした口調でオルカーンが問う。
「とりあえず行ってみよう」
問いには答えず、ルベアはその建物へと歩を進めた。
特に躊躇うことなく扉を叩く。
暫く待つが中からは何の反応もなかったので再度叩く。
今度は少し強めに。
がたん、と中の何処かで音がした。
そのまま待つと、軽めの足音が聞こえ、それから扉が開かれた。
「はい?」
現れたのは、黒髪に緑の目の少年だった。
ルベアより頭一つ分ほど背が低い。
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