小説用倉庫。
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「んー、……あれ?」
靄のかかった視界に、黒いものが移る。
何だろうと思って手を伸ばすと、それが髪だという事がわかった。
「……?」
レインはうとうととしながらその髪を掴むと、そのまま眠りに落ちた。
「……ッ」
掴まれた手を乱暴に払って、ルベアはレインの頭を小突いた。
「……お前何で俺の横に居るんだよ」
「……えー……」
レインが目をこすりながら顔を上げる。
ルベアは半身を起き上がらせると、ベッドの上を見て溜め息をついた。
もう一つのベッドは空だ。
彼を真中に、レインとオルカーンが左右に寝ていたことになる。
「寝相悪いにも程があるだろうが」
「……だから、言ったじゃないか」
半分寝ぼけた声でオルカーンがぼやく。
再度溜め息をつきながら備え付けられた小さ目の窓を見る。
今日も雪なのだろう。
おかげで時間が判りにくいが、明るくなってきているようだった。
「ほら、起きろ」
レインの肩を強く揺する。
「うー……朝?」
「そうだ。起きろ」
辛抱強く繰り返す。
と、重い瞼をこすり、レインが起き上がった。
両手を上に上げて伸びをしている。
その間にルベアは手早く荷造りを済ませた。
「……あれぇ? 何でオレベッドに寝てるの?」
ようやく目が覚めてきたのか、レインは首を傾げてオルカーンを起こしにかかった。
皆の目も覚めて支度も出来た頃、控えめなノックの音がした。
「どうぞー」
のんびりとした声でレインが応える。
扉が開き、入ってきた人物に一瞬迷う。
白い髪。
「あ、おはよう、ラナ」
レインは迷いもせずにその人物の名を呼んだ。
一瞬怯んだ様子を見せたラナは、けれど直ぐに表情を改めて手に持った包みを差し出した。
「? 何これ?」
「直ぐに出てくって聞いたから。持っていけ」
ぶっきらぼうに。
差し出されたそれはほのかに暖かい。
「そうか。ありがとう」
素直に礼を言っておく。
「行くんだろう? ついて来い。町境まで送る」
投げやりに言って背を向けたラナの、僅かに覗く首元が赤い。
あまり素直な性格ではないらしい。
笑みを隠しながら、ルベア達はラナに続いて部屋を出た。
靄のかかった視界に、黒いものが移る。
何だろうと思って手を伸ばすと、それが髪だという事がわかった。
「……?」
レインはうとうととしながらその髪を掴むと、そのまま眠りに落ちた。
「……ッ」
掴まれた手を乱暴に払って、ルベアはレインの頭を小突いた。
「……お前何で俺の横に居るんだよ」
「……えー……」
レインが目をこすりながら顔を上げる。
ルベアは半身を起き上がらせると、ベッドの上を見て溜め息をついた。
もう一つのベッドは空だ。
彼を真中に、レインとオルカーンが左右に寝ていたことになる。
「寝相悪いにも程があるだろうが」
「……だから、言ったじゃないか」
半分寝ぼけた声でオルカーンがぼやく。
再度溜め息をつきながら備え付けられた小さ目の窓を見る。
今日も雪なのだろう。
おかげで時間が判りにくいが、明るくなってきているようだった。
「ほら、起きろ」
レインの肩を強く揺する。
「うー……朝?」
「そうだ。起きろ」
辛抱強く繰り返す。
と、重い瞼をこすり、レインが起き上がった。
両手を上に上げて伸びをしている。
その間にルベアは手早く荷造りを済ませた。
「……あれぇ? 何でオレベッドに寝てるの?」
ようやく目が覚めてきたのか、レインは首を傾げてオルカーンを起こしにかかった。
皆の目も覚めて支度も出来た頃、控えめなノックの音がした。
「どうぞー」
のんびりとした声でレインが応える。
扉が開き、入ってきた人物に一瞬迷う。
白い髪。
「あ、おはよう、ラナ」
レインは迷いもせずにその人物の名を呼んだ。
一瞬怯んだ様子を見せたラナは、けれど直ぐに表情を改めて手に持った包みを差し出した。
「? 何これ?」
「直ぐに出てくって聞いたから。持っていけ」
ぶっきらぼうに。
差し出されたそれはほのかに暖かい。
「そうか。ありがとう」
素直に礼を言っておく。
「行くんだろう? ついて来い。町境まで送る」
投げやりに言って背を向けたラナの、僅かに覗く首元が赤い。
あまり素直な性格ではないらしい。
笑みを隠しながら、ルベア達はラナに続いて部屋を出た。
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