小説用倉庫。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
町からでも聖山が見える。
近いわけではない。
それほど大きく、標高が高いということだ。
「見えるから案内はいらないと思うが、一つだけ」
町境についたときにそう前置きして、ラナは山の右手側を指差した。
「行くのなら向こうへ迂回すると良い。遠回りに思えるだろうが直進するより早い」
「……分かった」
礼を言って町から出る。
途端に冷気が全身を襲った。
「わー寒いー」
間の抜けた声でレインが感想を言う。
苦笑しながら振り返ると、其処には既にラナの姿はなかった。
「もう行ったのか。早いなぁ」
オルカーンが感心したように鼻を鳴らす。
「ねぇ行こうよー。このまま此処に立ってたら雪だるまになっちゃうよ」
情けない声で言われ、ルベアは荷物を担ぎなおした。
道のりは特に迷うこともなく進めた。
誰かが踏み固めたのだろう獣道が、視界から消えることなくあったからだ。
「山へ行く人とか結構いるのかなぁ?」
「どうだろうなぁ。最近人が通った形跡は無いよ」
顔を低くして地面を見ていたオルカーンが応えた。
その答えに、レインが首を傾げる。
「シェンディルが通ったんじゃないのかな?」
「通らなかったんじゃないか?」
言いながら進んでいくうちに、周囲の木々が鬱蒼としてきた。
自分達三人以外の息遣いが、徐々に増えていく。
近いわけではない。
それほど大きく、標高が高いということだ。
「見えるから案内はいらないと思うが、一つだけ」
町境についたときにそう前置きして、ラナは山の右手側を指差した。
「行くのなら向こうへ迂回すると良い。遠回りに思えるだろうが直進するより早い」
「……分かった」
礼を言って町から出る。
途端に冷気が全身を襲った。
「わー寒いー」
間の抜けた声でレインが感想を言う。
苦笑しながら振り返ると、其処には既にラナの姿はなかった。
「もう行ったのか。早いなぁ」
オルカーンが感心したように鼻を鳴らす。
「ねぇ行こうよー。このまま此処に立ってたら雪だるまになっちゃうよ」
情けない声で言われ、ルベアは荷物を担ぎなおした。
道のりは特に迷うこともなく進めた。
誰かが踏み固めたのだろう獣道が、視界から消えることなくあったからだ。
「山へ行く人とか結構いるのかなぁ?」
「どうだろうなぁ。最近人が通った形跡は無いよ」
顔を低くして地面を見ていたオルカーンが応えた。
その答えに、レインが首を傾げる。
「シェンディルが通ったんじゃないのかな?」
「通らなかったんじゃないか?」
言いながら進んでいくうちに、周囲の木々が鬱蒼としてきた。
自分達三人以外の息遣いが、徐々に増えていく。
Comment
倉庫
管理者:西(逆凪)、または沖縞
文章の無断転載及び複製は禁止。
文章の無断転載及び複製は禁止。
カレンダー
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
カテゴリー
- ご挨拶。(3)
- [長編] Reparationem damni(12)
- [長編] Nocte repono rubei(72)
- [長編] Sinister ocularis vulnus (30)
- [長編] Lux regnum(61)
- [長編] Pirata insula(47)
- [長編] Purpura discipulus(43)
- [長編] Quinque lapidem(29)
- [短編] Canticum Dei(3)
- [短編] Candidus Penna(9)
- [短編] Dignitate viveret,Mori dignitas (11)
- [短編] Praefiscine(3)